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リーガルハイ古美門と黛の関係を考察|恋愛では説明できない二人の距離と変化

東京の夕景を背景にした「リーガルハイ古美門と黛の関係を考察|恋愛では説明できない二人の距離と変化」のアイキャッチ リーガル・ハイ

こんにちは、nanaです。

『リーガル・ハイ』の第1話で、黛真知子は古美門研介に「何を信じればいいのか」と問いかけます。自分が無実だと信じて弁護した坪倉裕一が、本当に事件を起こしていなかったのか確信を持てなくなったからです。黛が欲しかったのは、弁護士として立っていくための確かな答えだったはずですが、古美門はそれを与えません。真実を知っているのは神だけで、自分たちは弁護士にすぎない。そのうえで、何を信じるかは自分で探せと突き放します。

それなのに黛は、その答えを教えてくれない古美門の事務所で働くことを選びました。そこから二人は、同じ法廷に立ち、離れ、再会し、ときには敵同士として向かい合います。第2期では黛が羽生晴樹のNEXUSへ移り、古美門とは別の場所で弁護士を続けようとしますが、それでも二人の関係は終わりませんでした。

『リーガルハイ』の古美門と黛は、師弟だったのか、相棒だったのか。それとも二人の間には恋愛感情もあったのでしょうか。この記事では「仲がいい」「恋愛ではない」と簡単に結論づけるのではなく、第1話から第2期最終回、2013年・2014年スペシャルまでの具体的な場面をたどりながら、古美門と黛の関係がどのように変わり、なぜ何度離れても終わらなかったのかを考えていきます。

※この記事は『リーガル・ハイ』『リーガルハイ』第1期・第2期、2013年・2014年スペシャルの結末までのネタバレを含みます。

この記事のポイント
  • 『リーガルハイ』の古美門と黛の関係が第1話からどう変わったのか
  • 黛が古美門の隣を離れ、法廷の向こう側へ立った意味
  • NEXUSへ移ったあとも二人の関係が切れなかった理由
  • 古美門と黛に恋愛感情があったと考えられるのか

リーガルハイ古美門と黛の関係はどこから始まった?

古美門と黛の関係は、尊敬できる先輩と新人が出会うところから始まったわけではありません。むしろ黛にとって古美門は、出会った瞬間から価値観が合わず、できれば距離を置きたい人物でした。それでも黛は三木法律事務所を離れ、古美門の隣を選びます。ここをたどると、この二人が最後まで同じ考え方にならなかったことにも意味が見えてきます。

坪倉事件で崩れた黛の正義

三木法律事務所で働いていた黛は、殺人罪に問われた坪倉裕一の無実を信じ、控訴して彼を救いたいと考えていました。しかし三木長一郎は認めず、沢地君江から古美門を紹介されます。古美門は報酬を要求し、黛の正義感にも冷淡で、黛が理想とする弁護士像とは正反対でした。それでも裁判が始まると、古美門は証言の弱点や捜査の問題を突き、坪倉の逆転無罪を勝ち取ります。

ところが、勝訴したことで黛の迷いが消えたわけではありません。自由になった坪倉が白井警部に向けて不穏な言葉を残したことで、黛は自分が信じた「無実」に自信を持てなくなります。裁判で無罪になったことと、事件の真相を知ったことは同じではない。第1話で黛が初めて突きつけられたのは、法律が人間の真実をすべて明らかにしてくれるわけではないという現実でした。

坪倉事件のラストについては、リーガル・ハイ1話の犯人は誰?坪倉の無罪とラストの意味を考察でも詳しく振り返っています。

この時点で、古美門と黛の違いは経験や裁判技術だけではありません。黛は「正しい人を守れば、正しい結末へたどり着ける」と信じていますが、古美門は最初から、法廷で証明できることと人間の真実は別だと知っています。古美門の冷たさに見えたものの中には、弁護士がすべてを知れるという思い込みを拒む厳しさもあったのでしょう。

都会の建物入口を背景に「古美門の隣を選んだ黛」と表示したスライド

古美門の答えではなく隣を選んだ黛

坪倉の無罪判決後、黛は古美門に何を信じればいいのかと尋ねます。しかし古美門は、自分が代わりに答えを決めることをしませんでした。黛はその直後、三木法律事務所を辞め、何を信じるべきかを古美門のもとで探したいと申し出ます。

ここで興味深いのは、黛が古美門を「正しい人」だと思ったからついていったわけではないことです。人格的に尊敬しているとも言い難く、仕事のやり方にも反発している。それでも、自分の正義を簡単に肯定してくれない古美門の隣だからこそ、自分が何を信じるのかを考え続けられると思ったのでしょう。

普通の師弟ものなら、弟子は師匠の教えを学び、やがて同じ思想へ近づいていきます。ところが『リーガルハイ』では、この最初の選択から少し違います。黛が求めたのは古美門の答えではなく、古美門とぶつかりながら自分の答えを探せる場所でした。

だから古美門と黛の関係は、最初から「正解を教える師匠」と「それを覚える弟子」だけでは終わらない形を持っていたのだと思います。

古美門と黛の関係が変わった「法廷の向こう側」

第1期で黛は、古美門の弁論術をそのまま真似していくのではなく、裁判で勝つために何が必要なのかを現場で知っていきます。その変化がはっきりするのは、古美門の後ろについていくのではなく、黛自身が先に事件の中へ入ったときです。そして第1期の最後には、とうとう古美門と同じ側ではなく、法廷の向こう側へ立つことになります。

南モンブランで先に動く黛

第1期第9話では、旧絹美村の住民たちが仙羽化学の工場による健康被害を訴え、古美門に弁護を依頼します。古美門は勝てない裁判だとして一度は断りますが、黛は一人で南モンブラン市へ向かいました。

この行動には、正義感に突き動かされる黛らしさが残っています。ただし、第1話の頃と同じではありません。

黛はすでに、かわいそうな人がいるという理由だけでは裁判に勝てないことを知っています。依頼人の言葉だけを信じればいいわけでもなく、証拠を集め、相手側の論理を読み、裁判所で通用する形へ組み立てなければならない。それでも住民のもとへ向かったのは、現実の厳しさを知ったから正義を諦めるのではなく、その厳しさを知ったうえで自分が引き受けたい事件を選び始めたからでしょう。

やがて古美門も裁判へ加わりますが、ここで二人の位置は第1話とは少し逆転しています。第1話では、行き詰まった黛が古美門を訪ねました。南モンブランでは、古美門が断ったあとも黛が先に現地へ行き、その場所へ古美門が入ってきます。

二人の力量に大きな差があることは変わらなくても、黛はもう、古美門が動かなければ何もできない新人ではありません。

山あいの町と道路を背景に「南モンブランで先に動く黛」と表示したスライド

独立した黛と古美門の対決

第1期最終話は、古美門と黛の関係がはっきり変わったことを示します。古美門のもとを去った黛が、一年ぶりに古美門法律事務所を訪れるところから物語が始まり、その間に黛は自分の法律事務所を立ち上げていました。

依頼人は、仙羽化学の公害訴訟で協力した八木沼佳奈。黛は不当解雇をめぐる訴訟を準備し、「私たちが一緒にやるべき仕事」と古美門へ協力を持ちかけます。

ところが裁判当日、古美門は黛の隣には座りません。黛の相手方であるフロンティアケミカルラボの代理人として、三木の側へ歩いていきます。古美門の隣で裁判を見てきた黛が、今度はその戦い方を自分に向けられることになる。第1話から積み上げてきた二人の関係を考えると、この座る位置の変化はとても大きく見えます。

黛は古美門に敗れますが、第1話での敗訴とは意味が違います。あの頃は、自分では裁判を動かせなくなった黛が古美門へ助けを求めました。最終話の黛は、自分の名前で依頼を受け、自分の主張を持ち、自分の選んだ依頼人のために古美門と争っています。

勝てなかったとしても、黛は「古美門に守られる側」から、「古美門が本気で倒しにくる弁護士」へ移っていました。

裁判所の廊下を背景に「法廷の向こう側へ」と表示したスライド

戻っても同じ師弟ではない

第1期最終話のあと、黛は再び古美門のもとで働くようになります。しかし、一度独立し、古美門と法廷で戦ったあとでは、第1話と同じ上下関係には戻れません。古美門の言うことに反発するという表面的な部分は以前と同じでも、反発の中身が変わっています。

最初の黛は、古美門のやり方が道徳的に気に入らないから反発していました。ところが裁判を経験し、自分でも依頼人を背負うようになると、古美門がなぜその方法を選ぶのかを理解したうえで異議を唱えるようになります。

古美門の手口を知らないから反対するのではなく、知っていて別の方法を選ぼうとする。この差は大きいと思います。

2013年スペシャルでも、その変化は自然に続いています。中学校で起きた生徒の転落をめぐり、相談を受けて依頼を引き受けるのは黛です。一人で確実に勝てるか不安を感じた黛が古美門へ相談し、最終的には二人で事件を担当します。

第1話では困り果てた新人が古美門を訪ねましたが、このときは自分が受けた事件をどう戦うかという判断の中で古美門の力を借りています。古美門に依存しているというより、古美門という強力なカードを、自分で選べる弁護士になったと見る方が近いでしょう。

古美門と黛の関係を変えたNEXUS移籍

第2期では羽生晴樹が登場し、黛には「古美門ではない弁護士のあり方」が見えるようになります。ここで重要なのは、羽生が古美門との恋愛的な三角関係を作るためだけの人物ではないことです。羽生のNEXUSへ移ったことで、黛は初めて古美門のいない場所から自分自身と古美門を見直すことになります。

羽生とNEXUSを選んだ意味

第2期の羽生は、勝者と敗者をはっきり分ける古美門とは違い、争う双方が納得できる「Win-Win」を目指します。正義感が強く、誰かを傷つける解決に抵抗を感じる黛にとって、その考え方は古美門より近く見えます。

第6話では、黛自身が古美門のもとで働き続けたい気持ちを持ちながら、羽生からの誘いにも迷っていることが描かれます。そして第7話、黛は古美門と袂を分かち、NEXUSへ入ります。

ここを「羽生を選んだ」と恋愛だけで読むと、黛が抱えていたもっと大きな迷いを見落としてしまいます。古美門と働き続ければ、裁判で勝つための技術も現実を見る目もさらに身につくでしょう。一方で、古美門の考え方が自分の中へ入り込んでいくことへの戸惑いもある。

自分が古美門とは違う弁護士でいたいなら、一度その隣を離れて確かめなければならなかったのではないでしょうか。

しかも黛は、NEXUSへ移った途端に古美門のことを忘れられるわけではありません。古美門法律事務所を離れた直後にも、黛は事務所の様子を気にしています。職場を変えたことで、それまで日常の一部だった古美門との距離を、黛自身も意識するようになったことがうかがえます。

夕暮れの都会を背景に「古美門を離れて見えたもの」と表示したスライド

離れても続く古美門との裁判

NEXUSへ移った黛が担当するアニメ制作会社のパワハラ訴訟では、相手側の代理人として古美門が現れます。それだけでなく、黛が担当する事件に古美門が対立側の弁護士として立つ状況が続きます。

これを「古美門が黛を鍛えようとした」と断定することはできません。古美門自身がそう説明したわけではないからです。ただ、黛が事務所を離れたことで二人の関係が薄くなるどころか、法廷ではむしろ真正面から向き合うようになったことは確かです。

同じ事務所にいるときは、どれほど意見が違っても最後には同じ依頼人の側に立ちます。しかし別々の事務所になれば、黛は自分が選んだ主張を、自分の力で古美門から守らなければなりません。

さらに第8話では、黛と羽生がNEXUSで受けた案件について古美門へ共同弁護を頼みに行きます。ところが古美門は、現地へ行ったあと反対派の代理人になり、再び黛たちの向かい側へ立ちます。

味方と敵が事件ごとに入れ替わり、それでも関係は切れない。この不安定さこそ、二人がもう「同じ事務所にいるから一緒にいる」だけの関係ではないことを示しています。

夕暮れの東京の水辺を背景に「離れても続く二人の裁判」と表示したスライド

安藤貴和事件で重なった古美門と黛の視線

第2期を最初から最後までつないでいるのが安藤貴和の事件です。この難しい案件を古美門のもとへ持ち込んだのも黛でした。古美門は貴和の控訴審で敗れ、無敗記録を失います。その後も勝率を100%へ戻すことへ執着し、事件から離れられなくなっていきます。

古美門の敗北については、リーガル・ハイで古美門が負けた回は?第2期1話の敗北とその意味で詳しく整理しています。また、安藤貴和の事件そのものは、リーガル・ハイ安藤貴和のネタバレ!娘や吉永慶子と結末の真相で振り返っています。

一方の黛は、古美門と同じ理由だけで貴和を追っているわけではありません。古美門にとっては、自分の敗北を取り返す意味も大きい。黛は、貴和が何を隠しているのか、事件の中で何が起きていたのかを知ろうとします。

古美門と黛は同じ依頼人のために動きながら、必ずしも同じゴールだけを見ているわけではないのです。

その違いがありながら、第2期最終回では二人の視線が再び重なります。羽生は貴和の死刑を回避し、争いを丸く収めるために動きますが、その過程で事実を追うことより「みんなが受け入れられる結論」を優先していました。

古美門が怒るだけでなく、NEXUSへ移った黛まで、事実を追求せずにねじ曲げる羽生のやり方に不満をぶつけます。そして二人は、なぜ貴和が羽生の言うことを受け入れたのか、事件の真実をもう一度探り始めます。

ここで黛は、古美門の考え方に屈したわけではありません。むしろ古美門を離れ、羽生のやり方も経験したからこそ、どちらか一方をそのまま信じるのではなくなっています。

争いを避けることが優しく見えても、そのために当事者の意思や事実が置き去りになるなら納得しない。勝利を最優先する古美門とは違う場所から、黛は同じ問題にたどり着いたのだと思います。

雨の夜の重厚な庁舎を背景に「安藤貴和事件で重なった視線」と表示したスライド

リーガルハイの古美門と黛は恋愛関係だった?

第1話では新人と敏腕弁護士だった二人が、やがて同じ法廷の反対側に立ち、別の事務所へ移っても事件の中で関わり続けます。ここまで来ると、古美門と黛を単純な師弟と呼ぶだけでは足りません。一方で、二人の行動をすべて恋愛感情で説明するのも違います。

検索でも気になる人が多い「古美門は黛を好きだったのか」「二人は最終的に付き合ったのか」という疑問も含め、最後に二人の関係へどんな名前を付けられるのか考えてみます。

古美門は黛を認めていた?恋愛感情との違い

古美門は、黛を分かりやすく褒めません。正義感を笑い、失敗すれば容赦なく批判し、黛が反論しても自分の態度を簡単には変えません。そのため台詞だけを拾うと、古美門が黛を一人の弁護士として評価していたのか分からなくなることがあります。

けれど二人が法廷で立つ場所を見ると、少し違うものが見えてきます。第1話では黛が古美門に助けを求め、南モンブランでは黛が古美門より先に現地へ向かいます。第1期最終話では古美門が黛の相手となり、第2期ではNEXUSへ移った黛の担当事件に何度も対立側の弁護士として現れます。

古美門が黛をいつ「認めた」のか、一つの台詞で線を引くことはできません。ただ、本当に足手まといでしかない新人なら、古美門の対戦相手になることも、別の事務所から再び共同の事件へ関わることもありません。

褒める代わりに本気で争い、古美門のやり方を知る黛に対しても手加減しない。その扱いそのものが、第1話の頃とは変わっています。

そして黛の側も、古美門を「尊敬できない嫌な上司」とだけ見ているなら、何度も同じ事件へ戻る理由はありません。古美門の人格には反発しても、法廷で何が必要なのかを誰よりよく知っていることは認めている。互いに相手の嫌な部分を理解しながら、能力まで否定しないところに、この二人独特の信頼があります。

では、それが恋愛感情だったのでしょうか。

古美門と黛が作中で正式な恋人同士になった事実はありません。第2期では羽生が黛へ思いを寄せることで恋愛を意識させる場面が増えますし、古美門と黛のやり取りにも、単なる上司と部下とは違う親しさを感じ取れる瞬間があります。それでも作品は、二人を恋人という形には収めませんでした。

だからといって「恋愛感情は絶対になかった」と断定するのも難しいところです。古美門が黛の移籍後も彼女の事件へ関わり続けることや、黛がNEXUSへ移ってからも古美門法律事務所を気にすることを、好意の表れとして見ることはできます。ただ、それらは長い時間を共にした仕事仲間としての執着や信頼でも説明できます。

私は、二人を恋愛か非恋愛かの二択へ入れてしまうより、そのどちらにも完全には収まらないことの方が『リーガルハイ』には合っていると思います。好きだから味方になるわけではなく、嫌いだから敵になるわけでもない。裁判によって同じ側にも反対側にも立てるのに、相手が考えていることは誰よりよく分かってしまう。

恋人という分かりやすい名前を付けなかったからこそ、師弟、相棒、ライバルという複数の関係が最後まで同時に残ったのではないでしょうか。

古美門と黛の関係で残る疑問

古美門と黛の関係は作中でひとつの名前に決められていないからこそ、見終わったあとにもいくつもの疑問が残ります。ここでは検索されやすいポイントを、作品で確認できることと考察を分けながら整理します。

古美門と黛は最終的に付き合った?

古美門と黛が正式に交際した事実はありません。シリーズの中心は二人の恋愛の成就ではなく、正反対の価値観を持つ弁護士が、同じ側と反対側を行き来しながら影響を与え合う過程にあります。

古美門は黛を好きだった?

古美門が黛への恋愛感情を明確に告白したり、作中で恋愛として確定したりする描写はありません。ただ、黛が事務所を離れても事件を通して関係が続いているため、古美門にとって黛が特別な存在だったと受け取る余地はあります。

恋愛感情だったと断定するより、自分へ遠慮なく反論し、別の答えをぶつけてくる数少ない相手だったことの方が、二人の関係を考えるうえでは重要だと思います。

黛はなぜ古美門のもとへ戻った?

黛は第1期で一度独立し、その後は再び古美門法律事務所で働き、第2期ではNEXUSへ移ります。大切なのは、戻るたびに第1話の新人へ戻っているわけではないことです。

自分で依頼を受け、古美門と戦い、別の事務所も経験したうえで再び同じ事件へ関わるため、古美門の隣にいる意味そのものが変わっていきます。

二人は師弟と相棒のどちら?

出発点は師弟に近い関係ですが、シリーズ後半まで師弟だけで説明するのは難しいでしょう。黛は古美門から実務と裁判の厳しさを学びますが、独立して古美門と争い、NEXUS移籍後も対立します。

そのため、師弟として始まり、そこへ相棒とライバルの要素が重なっていった関係と見ると、二人の変化が分かりやすくなります。

二人の関係を見る重要回は?

まず第1期第1話と第11話は外せません。第1話では黛が古美門のもとへ入る理由、第11話では独立した黛が古美門の向かい側へ立つ変化が描かれます。

そのうえで2013年スペシャル、第2期第6話から第8話、安藤貴和事件が大きく動く第9話から最終話を続けて見ると、二人が離れながらも関係を変えていく流れがつながります。2014年スペシャルまで見ると、何度離れても再び同じ事件へ向かう二人の現在地も見えてきます。

リーガルハイ第1話へ戻ると見える二人の答え

第2期まで見たあとで第1話へ戻ると、黛が古美門法律事務所の扉を叩いた場面の意味が少し変わって見えます。あのときの黛は、自分の信じた正義が揺らぎ、古美門に「何を信じればいいのか」と答えを求めていました。

それから多くの事件を経験し、古美門の隣を離れ、自分の法律事務所を持ち、法廷で古美門と戦い、NEXUSという別の場所も選びます。

それだけ遠回りをしても、黛は古美門にはなりませんでした。人を信じようとするところも、正義という言葉を捨てきれないところも残っています。ただし、その正義は第1話の頃ほど単純ではありません。

依頼人がすべてを話すとは限らず、裁判の勝敗が真実そのものでもなく、争いをなくすことが常に正しいとも限らない。それを知ったうえで、自分で考えて選ぶ弁護士になっています。

古美門の方も、黛を自分と同じ弁護士にはできませんでした。むしろ、古美門のやり方を知れば知るほど、黛は自分との違いをはっきりさせていきます。それでも古美門は、そんな黛を完全には遠ざけません。

古美門の正しさを証明する弟子ではなく、自分の正しさを疑わせる相手が隣に残ったことは、この作品にとって大きかったのではないでしょうか。

第1話で黛が探し始めた「何を信じるのか」という答えは、古美門から渡されることはありませんでした。けれど、答えをもらえなかったからこそ、黛は何度も古美門の隣を離れ、自分で確かめることができた。その過程で古美門もまた、ただ教える側ではいられなくなり、黛と本気で争う弁護士になっていきます。

夕暮れの川辺を背景に「恋愛では説明できない二人」と表示したスライド

2014年スペシャルでは、古美門と黛のもとへ巨大総合病院から医療過誤問題の依頼が入り、二人は再び同じ事件へ向かいます。第1話の頃なら、そこにいたのは敏腕弁護士と新人でした。しかし、独立も移籍も対決も経験したあとでは、同じ事務所にいる二人の見え方が違います。

黛は古美門の隣にいても、もう古美門の後ろを歩いてはいません。

作品情報や各話のあらすじは、フジテレビ公式『リーガルハイ』でも確認できます。

『リーガルハイ』をもう一度見るなら、今度は裁判の勝敗だけでなく、古美門と黛がどこにいるかにも注目してみてください。同じ側の席にいるのか、法廷の向こう側にいるのか、それとも別の事務所から同じ事件を見ているのか。その位置が変わるたび、二人の関係も少しずつ変わっています。

第1話からずっと言い争っている二人なのに、最後まで見ると、その言い争いはもう新人と上司のものには聞こえません。古美門の答えを信じる黛ではなく、自分の答えを持ちながら古美門に反論できる黛がいる。そして古美門もまた、その反論をする相手と何度でも同じ法廷へ戻ってくる。

師弟だけでも、相棒だけでも、恋愛だけでも説明できない。その距離こそが、『リーガルハイ』で長い時間をかけて描かれた古美門と黛の関係なのだと思います。

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