こんにちは、nanaです。
『リーガル・ハイ』といえば、どんなに不利な裁判でも最後にはひっくり返してしまう古美門研介。勝つためなら手段を選ばず、本人も自分が負けることなど考えていない――そんな古美門だからこそ、本当に敗北した場面は強烈に残ります。
では、古美門が負けた回はどこだったのでしょうか。大きな転機となったのは、第2期第1話。安藤貴和の控訴審を引き受けた古美門は、これまで守ってきた無敗記録を失います。
でも、この敗北を「醍醐検事に負けた」で終わらせてしまうと、『リーガル・ハイ』第2期が面白くなった理由をかなり取りこぼしてしまいます。古美門を追い詰めたのは、強敵だけではありませんでした。
この記事では、第2期第1話で古美門がなぜ負けたのか、その後の安藤貴和事件や羽生晴樹との対立までたどりながら、古美門にとって「負ける」とは何だったのかを考えていきます。
※この記事は『リーガル・ハイ』第2期の最終回までのネタバレを含みます。
- 古美門が負けた回と裁判の内容
- 第2期第1話で無敗記録が途切れた理由
- 醍醐実と安藤貴和が敗北にどう関わったのか
- 敗北後の古美門が勝率100%にこだわった理由
- 羽生晴樹との対立から見える「勝つこと」の意味
リーガル・ハイで古美門が負けた回は第2期1話
古美門研介が明確な敗北を経験するのは、『リーガル・ハイ』第2期第1話です。古美門が引き受けるのは、運輸会社社長の殺害とその娘への殺害未遂で一審の死刑判決を受け、控訴審が進んでいた安藤貴和の事件でした。
フジテレビ公式の第1話あらすじでも、三木法律事務所の磯貝邦光が手を引こうとしていた難しい案件を、黛が古美門のもとへ持ち込んだことが確認できます。担当検事として立ちはだかるのが、松平健さん演じる醍醐実です。
それまでの古美門は「訴訟では負けない男」として描かれてきました。第1期から積み上げてきたその前提を、第2期は初回から崩してしまいます。
「古美門なら最後には勝つ」という視聴者の安心感まで、一緒にひっくり返したのが第2期第1話だったんですね。

安藤貴和の控訴審で無敗記録が途切れる
安藤貴和は、世間から「悪女」と見られている人物です。過去の結婚相手をめぐる疑惑もあり、事件そのものだけでなく、彼女の人物像まで含めて強い偏見の目が向けられていました。
そんな難しい依頼でも、古美門はいつものように状況をひっくり返そうとします。自分なら勝てるという自信も、最初はまったく揺らいでいません。
ところが、裁判の流れを決定的に変えるのは、古美門の予想を超えた貴和自身の言葉でした。弁護側が無罪を目指しているにもかかわらず、依頼人本人がそれを崩すような行動を取ってしまう。
古美門は裁判の相手を読むことには長けています。でも、自分の依頼人まで完全に支配できるわけではない。この当たり前のことを、彼は初めて突きつけられます。
醍醐実は古美門にとって何が厄介だったのか
第1話で古美門と対峙する醍醐実は、フジテレビ公式でも「百戦錬磨の古美門さえ苦戦を強いられるベテラン検事」と紹介されています。
古美門が早口で相手を圧倒し、論理と駆け引きで自分のペースへ引き込んでいく人物なら、醍醐は正反対です。冷静で重く、古美門の勢いに飲まれない。その存在だけでも、いつもの裁判とは空気が違います。
ただ、私は古美門の敗北を「醍醐の方が弁護士として上だった」と単純には見ていません。醍醐という強敵に加えて、安藤貴和自身が古美門の思惑どおりには動かず、世間にはすでに彼女を有罪と見る強い空気がある。いくつもの要素が古美門の計算から外れていきました。
古美門は相手の弱点を探し、裁判というゲームの盤面を組み替えることには強い。でもこの事件では、盤面そのものが古美門の思った形にならなかったのだと思います。
古美門はなぜ負けたのか
古美門の敗北について考えるとき、「民意に負けた」という言葉だけで片づけない方がいいと思います。確かに第2期では、安藤貴和に対する世間の激しい反感が物語の大きな背景になっています。
ただし、第1話の裁判は控訴審です。裁判員裁判の第一審とは違い、高等裁判所で行われる控訴審なので、「裁判員たちが世論に流された」という構図ではありません。
それでも、世間がすでに貴和を「悪女」と決めつけている空気は重要です。裁判の外側で出来上がった人物像が、事件を見る私たちの目にも影響している。『リーガル・ハイ』はそこをかなり意識的に描いているように見えます。
そして、もっと直接的に古美門を崩したのは、依頼人である貴和を自分の論理の中へ収められなかったことです。
裁判に勝つことだけを考える古美門と、必ずしも「無罪になりたい」という一つの目的だけで動いていない貴和。二人の間には、最初から少しずつずれがあります。
古美門は相手方に負けただけではなく、「依頼人が自分と同じゴールを見ているとは限らない」という現実に負けた。私はそこが、この敗北を特別なものにしていると思います。

敗北は古美門から何を奪ったのか
古美門にとって裁判の勝敗は、単なる仕事の成績ではありません。勝つことそのものが、自分が古美門研介であることの証明になっています。
だから、第2期第1話の敗北は一件の裁判を落としただけでは終わりません。その後も古美門は、安藤貴和の事件を手放すことができず、再びこの裁判へ戻っていきます。
フジテレビ公式の第9話あらすじでは、最高裁で貴和の無罪を勝ち取ると言い張る古美門について、黛が気にしているのとは別に、本人は裁判の勝率を100%へ戻すことにこだわっている様子だと説明されています。
この一文は、古美門にとって敗北がどれほど大きかったかをよく表しています。依頼人を救いたいという思いだけではなく、「負けた古美門研介」のままではいられないんです。

いつも自信満々で、他人から何を言われても動じない男が、たった一つの敗北には執着する。そこには、古美門の強さだけではなく、意外なほど危うい部分も見えます。
勝ち続けている間は、自分のやり方を疑う必要がありません。でも一度負けてしまえば、「自分は本当に絶対なのか」という問いが生まれてしまう。第2期では、その小さな亀裂が古美門の中に残り続けます。
羽生晴樹との対立で「勝つ」の意味が変わっていく
第2期で古美門と対になる人物が、岡田将生さん演じる羽生晴樹です。羽生は、勝つか負けるかで相手をねじ伏せる古美門とは違い、双方が納得できる「Win-Win」の解決を目指します。
一見すると、古美門より羽生の考え方の方が穏やかで現代的に見えます。誰かが完全に負けるのではなく、全員が少しずつ譲って着地点を探す。それ自体は決しておかしな考えではありません。

ところが物語が進むにつれ、『リーガル・ハイ』はそこにも別の危うさを見せていきます。誰も傷つかない結論を作ろうとするあまり、本人たちが本当に争っているものまで、第三者が勝手に整理してしまう可能性があるからです。
最終回では、最高裁で差し戻し判決を得たあと、安藤貴和をめぐる状況が再び大きく動きます。羽生は死刑を避けながら社会側も納得できる落としどころを作ろうとしますが、古美門と黛はその解決に納得しません。
ここで面白いのは、古美門が第1話の敗北を単純に「次は醍醐に勝ったから取り返した」で終わらせていないところです。第2期の最後に古美門が向き合う相手は、検察だけではなく、羽生が信じる「みんなが納得できる世界」そのものになっています。
古美門は勝敗に異常なほどこだわる男ですが、その極端さがあるからこそ、「誰かが善意で決めた正解」を疑うこともできる。第2期では、古美門の嫌な部分と必要な部分が、同じ場所から生まれているように見えるんですよね。

サオリ事件やフェンシングも古美門の「負け」なのか
「古美門の負け」を調べていると、安藤貴和の裁判以外にも、三木との因縁や羽生とのフェンシングが出てくることがあります。ただ、ここは分けて考えた方が分かりやすいです。
三木長一郎との間にある「サオリ」をめぐる過去は、古美門と三木の関係を語るうえでは重要ですが、法廷での敗訴とは別の話です。古美門にとって人間関係上の大きな代償だった、と読むことはできますが、「古美門が裁判で負けた回」に数えるものではありません。
羽生とのフェンシングも同じです。スポーツとして古美門が圧倒される場面は、第2期らしいコミカルな対比になっていますが、法廷での無敗記録とは関係ありません。

むしろこうした場面が面白いのは、古美門が「自分の得意ではない場所では普通に負ける人物」だと分かるからです。法廷では絶対的に見えるのに、それ以外では驚くほど格好がつかない。
前の記事で取り上げた古美門のバイオリンにも、よく似たギャップがあります。法廷での圧倒的な強さと、日常で見せるどこかずれた姿。その両方があることで、古美門はただの万能キャラクターではなくなっています。
古美門の敗北が第2期を面白くした理由
第1期の古美門を見ていると、「今回はどうやって勝つのだろう」と思いながら裁判を追うことができます。どれほど不利でも、最後には何かを仕掛けてくる。その期待が作品の爽快感の一つでした。
ところが第2期は、その前提を第1話で壊してしまいます。
一度負けた古美門を見せてしまった以上、次からは「本当に今回も勝つのか」が分からない。そして何より、古美門本人にも「自分は負けた」という事実が残ります。
そのため安藤貴和事件は、第2期を通して古美門の背後に残り続けます。通常の一話完結の裁判を戦っていても、彼の勝率は100%ではない。あの敗北だけは消えていません。
私はここに、第2期ならではの面白さがあると思います。最強の主人公をもっと強い敵と戦わせるのではなく、いったん本当に負けさせて、「負けたあと、この男はどうするのか」を描いたんです。
しかも最後に問われるのは、単なる勝率だけではありません。「勝つことが正義なのか」「みんなが納得する結論なら、それでいいのか」「本人の意思を無視した幸福は幸福なのか」。古美門が一度負けたことで、第2期は勝敗の向こう側まで踏み込んでいきます。
だから第1話の敗北は、古美門を弱くするためだけの出来事ではなかったのでしょう。無敗だったから見えなかった古美門の執着や危うさ、そして彼にしかできない戦い方を見せるための、大きな入口だったように感じます。
安藤貴和自身の事情や、吉永慶子、羽生との関係については、『リーガル・ハイ』安藤貴和のネタバレと結末でも詳しく取り上げています。
リーガル・ハイで古美門が負けた回に関するFAQ
古美門が負けた回は何話ですか?
大きな敗北として描かれるのは、第2期第1話です。安藤貴和の控訴審を担当した古美門は、それまで守ってきた無敗記録を失います。
古美門は誰に負けたのですか?
検察側で古美門と対峙したのは醍醐実です。ただし、敗北の理由を醍醐一人の力だけに求めるのは十分ではありません。安藤貴和自身の行動や、彼女を取り巻く状況も裁判の流れを大きく変えています。
第2期1話で安藤貴和の死刑は確定したのですか?
第1話では控訴審で一審の死刑判決が維持されますが、物語はそこで終わりません。その後、古美門と黛は最高裁へ進み、第9話から最終回にかけて安藤貴和事件が再び大きく動きます。
古美門は最終的に安藤貴和の裁判を取り返しますか?
古美門と黛は最高裁で差し戻し判決を得ることに成功します。ただし、そこからさらに羽生の介入や貴和自身の選択が重なり、単純な「第1話のやり直し」では終わりません。
羽生晴樹は古美門に勝ったのですか?
二人の関係は、一度の裁判で勝敗を決められるものではありません。羽生は古美門とは違う「Win-Win」の解決を目指し、第2期を通して古美門の価値観とぶつかります。最終回では、どちらの考える正義を選ぶのかが重要なテーマになります。
まとめ|古美門が負けた回は「無敗の男」を作り直した
『リーガル・ハイ』で古美門が負けた回として押さえておきたいのは、第2期第1話です。安藤貴和の控訴審で敗北し、それまで続いてきた無敗記録が途切れます。
- 古美門の大きな敗北は第2期第1話で描かれる
- 担当したのは一審で死刑判決を受けていた安藤貴和の控訴審
- 醍醐実だけでなく貴和自身の行動も古美門の計算を崩した
- 第9話では古美門が勝率100%に戻すことへ執着している
- 最終回まで続く安藤貴和事件によって「勝つこと」の意味そのものが問われる
古美門が本当に面白いのは、負けないからだけではありません。負けたという事実を受け入れられず、何としてでも取り返そうとする。その執念まで含めて古美門研介なんですよね。
そして第2期は、一度負けた古美門に同じことをもう一度させる物語ではありませんでした。安藤貴和、醍醐実、羽生晴樹と向き合ううちに、「勝てばそれでいい」という古美門の言葉の裏側まで見えてきます。

無敗だった古美門に初めて「負け」を与えたことで、『リーガル・ハイ』は最強の弁護士ではなく、勝つことに取り憑かれた一人の人間として古美門研介を見せた。私はそこに、第2期の大きな面白さがあると思います。
参考にした公式情報
本記事では、フジテレビ公式『リーガル・ハイ』第2期の各話あらすじ・人物紹介、および裁判所の公開情報を参考にしています。


