こんにちは、nanaです。
『リーガル・ハイ』第1話を見終わったあと、「結局、坪倉は犯人だったの?」という疑問が残った方は多いのではないでしょうか。
黛真知子が無実を信じ、古美門研介が逆転無罪を勝ち取った坪倉裕一。ここまでなら冤罪から青年を救った物語として終われそうなのに、最後のほんの短い場面が、それまで見ていたものをひっくり返します。
ただ、あのラストを見たからといって「坪倉が真犯人だった」と断定することもできません。むしろ第1話が残したのは、無罪になったことと、私たちが事件の真実を知ることは同じではないという居心地の悪い余白でした。
この記事では、『リーガル・ハイ』1話の犯人は誰だったのかを考えながら、坪倉の無罪判決、ラストシーン、古美門と黛の違い、中村蒼さんの演技まで振り返ります。
※この記事は『リーガル・ハイ』第1話の結末までのネタバレを含みます。
- リーガル・ハイ1話の犯人を断定できるのか
- 坪倉裕一が逆転無罪になるまでの流れ
- ラストシーンがあれほど不穏に見える理由
- 「無罪」と事件の「真実」の違い
- 坪倉役を演じた中村蒼さんについて
リーガル・ハイ1話の犯人は誰?坪倉とは断定できない
先に結論から整理すると、『リーガル・ハイ』第1話では、ガソリンスタンド店長を殺害した真犯人が誰なのかは最後まで確定しません。
殺人の罪に問われた坪倉裕一は一審で敗訴しますが、黛が判決に納得できず、古美門へ協力を求めます。そして控訴審では、古美門たちが証言の信用性や警察の取り調べに疑問を生じさせ、坪倉は逆転無罪となります。
ここだけを見れば、坪倉の冤罪が晴れたようにも見えます。
ところが自由になった坪倉は、自分を追い詰めた白井警部に対して、殺意を思わせる物騒な言葉を投げます。黛はその姿を見て、「自分が信じた人は本当に無実だったのか」と自信を失ってしまいます。
第1話は、坪倉を「犯人だった」と明かして終わるのではありません。「もしかしたら」という疑いだけを残して終わるんです。
この違いは、とても大切だと思います。
第1話で坪倉裕一に何が起きたのか
フジテレビ公式のあらすじでは、黛が三木法律事務所で殺人の罪に問われた坪倉を弁護したものの敗訴し、判決を不当だと考えて控訴を望んだことが説明されています。
ところが三木は控訴に反対します。そこで秘書の沢地君江から古美門研介の存在を知らされた黛は、古美門法律事務所を訪ねることになります。
黛は坪倉の「無実」を信じていた
黛にとって、この事件の出発点は坪倉を信じることでした。自分が弁護した青年が本当に殺人を犯したとは思えない。だから一審で負けても、そこで諦めることができません。
この姿勢は、第1話の黛らしさをそのまま表しています。依頼人をまず一人の人間として見て、その人が語ることを信じたい。正義感の強い黛にとって、弁護士であることと真実を明らかにすることは、まだかなり近い場所にあります。

そんな黛が訪ねるのが、バイオリンを弾きながら現れる古美門です。この最初の出会いについては、リーガル・ハイのバイオリンはなぜ下手?古美門の演奏の意味を考察でも詳しく考察しています。
古美門は「坪倉が善人か」を証明しようとしない
古美門が黛と大きく違うのは、坪倉の人柄を根拠に無実を信じようとしないところです。
古美門が法廷で向き合うのは、「この青年は善良そうだから犯人ではない」という話ではありません。検察側の立証や証言、取り調べには本当に坪倉を有罪とするだけの確かさがあるのか。そこを崩していきます。
途中では古美門側の証言が覆され、いったん形勢が大きく傾きます。それでも黛の働きも重なり、証言の信用性を再び崩し、さらに白井警部の取り調べの問題を法廷で浮かび上がらせます。
結果は逆転無罪。
でも古美門が勝ち取ったのは、「坪倉という人間は絶対に殺人をしていない」という証明ではありません。この違いが、直後のラストシーンにつながっていきます。

無罪になったのに、なぜラストシーンはあんなに怖いのか
坪倉が無罪になった瞬間までは、黛の努力が報われたように見えます。自分が信じた依頼人を救い、古美門の力も借りながら一審の結果を覆した。普通の法廷ドラマなら、ここで気持ちよく終わってもおかしくありません。
ところが『リーガル・ハイ』は、最後にわざわざ不安を残します。
自由になった坪倉が白井警部を見たとき、それまでの「追い詰められた青年」という印象とは違う一面がのぞきます。その言葉を聞いた黛自身が動揺するため、視聴者も同じ場所へ立たされるんですよね。

「もしかして、私たちも坪倉を見誤っていたのではないか」と。
でも、ここで坪倉を犯人だと決めてしまうと、この場面の面白さは半分になってしまうと思います。
あの言葉は、本当に殺人を犯して逃げ切った人物の本性だったのかもしれません。一方で、自分を犯人だと決めつけ、厳しく追及した刑事への激しい憎しみだった可能性も残っています。

どちらにも読めるから怖い。はっきりクロだと分かる場面ではなく、私たちが坪倉を見る目そのものを疑わせる場面だから、今も記憶に残るのだと思います。
「無罪」と「真実」は同じではない
この第1話を考えるうえで、無罪という言葉を「本当は何もしていなかったと裁判所が証明した」という意味で捉えない方が分かりやすいです。
刑事裁判では、検察側が被告人の犯罪を証拠によって証明する責任を負います。そして、有罪であることに合理的な疑いが残るなら、有罪にはできません。
つまり裁判で問われているのは、「私たちがこの人を怪しいと思うか」ではなく、犯罪をしたと認定できるだけの証明があるかです。

第1話の古美門も、まさにその場所で戦っています。
坪倉が心優しい青年なのか。実際に店長を殺したのか。あの最後の言葉は何を意味していたのか。古美門は、それらすべての答えを手に入れてから法廷に立ったわけではありません。
だからこそ、逆転無罪のあとに黛が揺らぎます。
彼女が欲しかったのは「自分の信じた人は本当に無実だった」という答えです。でも法廷が出したのは、事件についての完全な真実ではなく、坪倉を有罪とするだけの証明が成立しなかったという結論でした。
このずれこそ、『リーガル・ハイ』第1話の一番冷たいところであり、一番面白いところでもあります。
古美門は坪倉が犯人かどうかを気にしていなかった?
ラストで不安になる黛に対して、古美門は、自分たちは神ではなく真実のすべてを知ることはできない、という考えを示します。
この場面で古美門が言っているのは、「真実なんてどうでもいいから犯罪者を逃がしても構わない」ということではないと私は思います。
むしろ、弁護士である自分にできることの範囲を徹底して区切っているんですよね。
黛は「この人は良い人だから信じる」「この人の無実を証明したい」と考える。一方の古美門は、人の善悪や自分の直感を裁判の結論に持ち込もうとしない。

この違いは、その後のシリーズでも何度も二人の間に現れます。
それでも古美門は、決して何も信じていない人物ではありません。彼が強く信じているのは、人間の善良さではなく、法廷で証拠と主張をぶつけ合うことそのものなのかもしれません。
真実が見えないからこそ、勝手に「分かったつもり」にならない。第1話からすでに、古美門の厄介な弁護士観がかなりはっきり出ています。
坪倉役は中村蒼|「犯人役」ではなく被告人役として見る
坪倉裕一を演じているのは中村蒼さんです。フジテレビの公式制作情報でも、第1話のゲストとして中村蒼さんが坪倉を演じ、白井警部役の中原丈雄さんとの法廷場面が重要な鍵になることが紹介されています。
検索では「リーガル・ハイ 1話 犯人 中丸雄一」といった言葉も見られますが、第1話の坪倉役は中丸雄一さんではありません。ここはシンプルに、坪倉裕一役=中村蒼さんと整理しておけば十分です。
そして私は、この記事では中村蒼さんを「犯人役」と呼び切らない方がいいと思っています。
なぜなら、この記事そのものが「坪倉が犯人だったのかは確定しない」という話だからです。演じているのはあくまで、殺人の罪に問われた被告人・坪倉裕一です。
中村蒼さんの演技が印象的なのも、弱々しく見えた青年が最後のわずかな時間で別の顔をのぞかせるからでしょう。その変化が「犯人だった」と答えを出すのではなく、視聴者の確信だけを崩していきます。
第1話が作った古美門と黛の関係
第1話の事件は、坪倉だけの物語ではありません。むしろ、この事件によって古美門と黛がどんな二人なのかが決まった、と見ることもできます。
黛は、人を信じたい。正しいことをしたい。そして、自分が信じる正義と現実が一致していてほしい。
古美門は、そんな黛に簡単な答えを渡しません。正しい人が必ず勝つわけでも、無罪になった人が必ず善人だと証明されるわけでもない。それでも弁護士として戦うしかないという現実を突きつけます。
だからこそ、坪倉の事件が第1話に置かれている意味は大きいと思います。
もし最初の事件が「無実の人を古美門が華麗に救いました」で終わっていたら、このドラマはもっと分かりやすいヒーロー物になっていたでしょう。
でも実際には、古美門が勝ったあとに疑問が残る。
「勝つこと」と「正しいこと」は同じなのか。「真実を知ること」と「裁判で判断すること」は同じなのか。『リーガル・ハイ』は、その問いをシリーズの最初から視聴者へ渡していたんですね。
そして無敗だった古美門自身も、第2期では初めて大きな敗北を経験します。そこから見えてくる古美門については、『リーガル・ハイ』で古美門が負けた回は?第2期1話の敗北とその意味で考察しています。
リーガル・ハイ1話の犯人に関するFAQ
リーガル・ハイ1話の犯人は坪倉裕一ですか?
坪倉が真犯人だったとは確定していません。控訴審では無罪になりますが、ラストで白井警部に向けた言動によって「本当は犯人だったのでは」と疑わせる余地が残されています。
坪倉裕一は最終的に無罪になりますか?
はい。古美門と黛が証言の信用性や警察の取り調べを崩し、坪倉は控訴審で逆転無罪となります。ただし、ドラマは事件の完全な真相まで明らかにはしていません。
ラストの坪倉の言葉は犯人だった証拠ですか?
証拠とまでは言えません。真犯人として本性をのぞかせたようにも見えますが、自分を犯人扱いした白井警部への激しい怒りとも解釈できます。その二つを確定させないことが、ラストの不穏さにつながっています。
坪倉裕一を演じている俳優は誰ですか?
中村蒼さんです。フジテレビ公式でも、第1話のゲストとして坪倉裕一役を中村蒼さんが演じたことが確認できます。
坪倉役は中丸雄一さんですか?
いいえ。坪倉裕一役は中村蒼さんです。中丸雄一さんではありません。
まとめ|リーガル・ハイ1話は犯人を決めないから忘れられない
『リーガル・ハイ』1話の犯人について、ドラマは最後まで一つの答えを示しません。坪倉裕一は逆転無罪になりますが、ラストの言動によって「もしかしたら」という疑いが残ります。
- 坪倉裕一は殺人の罪に問われ、一審で黛が敗訴する
- 黛は判決に納得できず、古美門に控訴審の協力を求める
- 古美門と黛は検察側の立証や取り調べの問題を崩し、逆転無罪を勝ち取る
- ラストの坪倉の言動によって、本当に無実だったのかという疑問が残る
- 坪倉役を演じているのは中村蒼さん
- ドラマは坪倉を真犯人とは確定していない
私は以前の記事のように、「坪倉はクロだった可能性が極めて高い」とまで決めてしまわない方が、この第1話には合っていると思います。
あのラストの怖さは、犯人だったと分かった怖さではありません。無罪になって、全部終わったと思ったあとに、もう一度「私たちはこの人の何を知っていたのだろう」と考えさせられる怖さです。
黛は坪倉を信じました。古美門は坪倉を信じる必要すらないまま勝ちました。そして視聴者だけが、答えのない場所に残されます。

事件の真相をきれいに回収しなかったからこそ、第1話だけで『リーガル・ハイ』がどんなドラマなのかが伝わった。あのラストに残された疑いこそが、この作品最初の「余白」だったのではないでしょうか。
参考にした公式情報
本記事では、フジテレビ公式『リーガル・ハイ』第1話あらすじ・制作情報、および裁判所が公開している刑事裁判の基礎情報を参考にしています。


