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重版出来みたいなドラマ7選|働く人に刺さるお仕事作品を厳選

重版出来みたいなドラマ7選|働く人に刺さるお仕事作品を厳選 重版出来!

こんにちは、nanaです。

『重版出来!』を見終えたあとって、次のドラマを探してみても、「なんとなく違う」。明るいお仕事ドラマを選んでも、黒沢心や五百旗頭、小泉、沼田たちを見ていたときのようには胸が熱くならない。

それはたぶん、『重版出来!』の魅力が「出版業界を描いたドラマだから」だけではないからです。

一冊の漫画を世に送り出すため、編集者だけではなく、漫画家、営業、書店員、印刷や宣伝に関わる人たちまで、それぞれの持ち場で仕事をする。そして、ときには夢に敗れたり、自分の才能に迷ったりしながら、それでも次の一歩を選んでいく。

『重版出来!』で心を動かされたのは、仕事そのものより「働く人がもう一度立ち上がる姿」だったのかもしれません。

そこでこの記事では、単に出版社が出てくる作品ではなく、専門職のリアル、仲間との協働、挫折からの再起、見終えたあとの前向きさという4つの軸から、「『重版出来!』の次に見たい」と思える7作品を選びました。

仕事に少し疲れているとき、自分の進む方向がわからなくなったとき、あるいは純粋に「大人が本気で働くドラマが見たい」とき。あなたの今の気分に合う一本を見つけてもらえたらうれしいです。

この記事のポイント
  • 『重版出来!』に近いお仕事ドラマの選び方
  • 仕事とチームの熱量を味わえるおすすめ7作品
  • 挫折や再出発が特に心に響く作品
  • 今の気分に合わせた次の一本の選び方

ネタバレについて
この記事では各作品を比較するため、主人公の職業や過去、物語の出発点となる挫折などに触れています。最終回の決定的な結末はできるだけ避けていますが、完全に事前情報なしで楽しみたい方はご注意ください。

『重版出来!』の胸の熱さは出版業界ではなく働く人がもう一度立ち上がる姿にあると示すスライド

重版出来みたいなドラマの選び方

『重版出来!』に似た作品を探すとき、最初に切り離して考えたいのが「舞台が出版社かどうか」です。

『重版出来!』の作品情報は、TBS公式サイトでも確認できます。新人編集者・黒沢心を中心に、編集者から書店員まで一冊の漫画に関わる人々を描く物語として紹介されています。つまり面白さの中心にあるのは、華やかな出版の世界ではなく、一つの成果を生み出すまでに何人もの仕事がつながっていることなんですよね。

専門職のリアル・仲間との協働・挫折からの再起・前向きさの4軸を示すスライド

その視点で見直すと、航空自衛隊、校閲、辞書作り、経理、警察、Web制作、ゲーム開発と、まったく違う職業を描いたドラマにも『重版出来!』と同じ熱が流れていることがわかります。

今回の選定基準は4つです。

「専門職のリアル」「仲間との協働」「挫折からの再起」「見終えた後に前を向けるか」。この4つがそろうほど、『重版出来!』を好きだった人との相性は高いと考えています。

『重版出来!』の人物関係をもう一度整理してから比較したい方は、『重版出来!』のキャスト・相関図を整理した記事もあわせてどうぞ。

専門職のリアルで選ぶ

まず注目したいのが、「仕事をちゃんと仕事として描いているか」です。

お仕事ドラマと呼ばれていても、職場が恋愛や人間関係の背景に置かれている作品は少なくありません。それはそれで楽しいのですが、『重版出来!』を求めているときには少し物足りなく感じることがあります。

『重版出来!』では、漫画を描けば終わりではありません。

編集者が作家と向き合い、企画を通し、原稿を完成させ、営業が書店へ足を運び、書店員が売り場を作る。その積み重ねの先にようやく「重版出来」があります。

仕事というものが、誰か一人の才能だけでは成立しないことが丁寧に見えるんですよね。

この部分に惹かれた方には、『舟を編む』や『これは経費で落ちません!』がかなり相性のいい作品です。

辞書を作るにも、会社のお金を正しく管理するにも、表からは見えない細かな判断と膨大な作業があります。

「こんな仕事があるんだ」と知る楽しさだけではなく、普段は目立たない仕事にも、その仕事にしかない誇りがあると感じられるドラマを選ぶのがポイントです。

チームと再起で選ぶ

もう一つ、『重版出来!』らしさを考えるうえで外せないのが「一人では勝たない」という構造です。

主人公の黒沢心は確かにエネルギーのある人物ですが、彼女一人がすべてを解決するわけではありません。

五百旗頭の経験、和田編集長の判断、壬生の漫画への愛、小泉の営業力、作家たちの才能。ときには考え方の違う安井のような人物まで含め、異なる役割がかみ合うことで成果につながります。

そしてもう一つ重要なのが、失敗した人や夢を失った人にも物語があることです。

特に第7話の沼田渡のエピソードは、『重版出来!』という作品が「頑張れば夢は必ずかなう」という単純な成功物語ではないことを象徴しています。

夢を続けることだけが正解なのか。別の道を選ぶことは敗北なのか。そんな痛い問いまで描くから、この作品は働く大人に刺さるのだと思います。

沼田の決断について詳しく振り返りたい方は、『重版出来!』第7話・沼田渡の挫折と再出発の考察で掘り下げています。

今回紹介する作品にも、夢を失った人、今いる場所から逃げたい人、自分の仕事に意味を見いだせない人が登場します。

それでも誰かと出会い、自分の仕事を別の角度から見直して、少しずつ次の場所へ進んでいく。

「人生の第一希望ではなかった場所から始まる物語」が好きなら、このあと紹介する作品はかなり刺さるはずですよ。

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ドラマで感じた「仕事の熱」をもっと長く味わいたいなら、原作漫画へ進むのもおすすめです。ドラマでは描き切れなかった編集者や漫画家たちの仕事と、その後の物語まで追えます。

空飛ぶ広報室

『重版出来!』の次に一本だけ選ぶなら、私がまず候補に入れたいのが『空飛ぶ広報室』です。

2013年にTBSの日曜劇場で放送された作品で、原作は有川浩さん。『重版出来!』と同じく野木亜紀子さんが脚本を担当しています。

『空飛ぶ広報室』は失った夢の先に新しい居場所を作る作品だと示すスライド

舞台は航空自衛隊の広報室とテレビ局。

一見すると出版業界とはまったく違います。それでも物語を見ていると、「ああ、この感じが欲しかったんだ」と思う瞬間が何度もあります。

その理由は、このドラマが仕事を通じて人生を立て直していく人たちの物語だからです。

夢を失った二人の再出発

物語の中心となるのは、航空自衛隊の空井大祐と、テレビ局のディレクター・稲葉リカ。

空井は戦闘機パイロットを目指してきた人物ですが、その道を断たれ、航空幕僚監部の広報室で働くことになります。

一方のリカも、自分が思い描いていた報道の仕事とは違う場所に置かれ、気持ちを持て余しています。

つまり二人とも、物語の最初から成功へ向かって走っているわけではありません。

「本当はここにいるはずじゃなかった」という感情を抱えた状態から始まります。

これが黒沢心の物語ととてもよく響き合うんですよね。

心もまた、柔道でオリンピックを目指していた人です。その未来を失ったあと、漫画編集というまったく別の場所へ進みました。

空井も同じように、以前の夢に戻るのではなく、今いる場所で何ができるかを探していきます。

そして、その再出発を支えるのが広報室の仲間たちです。

鷺坂室長を中心に、柚木、片山、比嘉ら、それぞれ性格も仕事の仕方も違うメンバーが集まり、一人ではできない広報の仕事を作っていきます。

◆nanaが感じる共通点
『重版出来!』の五百旗頭や和田編集長が好きだった方には、鷺坂室長をぜひ見てほしいです。前に出て全部を解決する上司ではなく、人を見ながら、その人が自分で立てる場所を作っていく。この「任せ方」がとても似ています。

仕事に挫折したとき、「元の場所へ戻ること」だけを再起だと思ってしまうことがあります。でも『空飛ぶ広報室』は、違う場所で新しい意味を見つけることも立派な再出発だと教えてくれる作品です。今の仕事が第一希望ではなかった人ほど、ぐっとくるかもしれません。

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ドラマで空井たちの再出発に心をつかまれた方は、原作小説で人物の内面や広報室の空気をもう一度たどると、同じ場面の見え方が少し変わります。

地味にスゴイ!校閲ガール

出版業界というわかりやすい共通点から選ぶなら、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』は外せません。

2016年に日本テレビ系で放送され、石原さとみさん演じる河野悦子は、ファッション誌の編集者になることを夢見て出版社へ入社します。

『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』の裏方の誇りと仕事への情熱を示すスライド

ところが配属されたのは、希望していた編集部ではなく校閲部。

日本テレビの公式紹介でも、悦子は夢だったファッション誌編集ではなく校閲部に配属され、そこで全力で仕事へ向き合う人物として描かれています。

この設定だけを見ると、「希望部署に行けない主人公が頑張る」という明るい成長物語に見えます。

でも面白いのは、悦子が校閲の仕事に合わせて自分を小さくするのではなく、自分らしさを持ち込むことで周囲まで変えていくところです。

事実関係を確かめるため実際の場所へ足を運び、疑問があれば編集者にも作家にもぶつける。

もちろん、校閲として一線を越えそうになることもあります。藤岩たちから注意される場面もあり、「情熱があれば何をしてもいい」という描き方にはなっていません。

このバランスがいいんですよね。

『重版出来!』の黒沢心も、最初から完璧な編集者ではありません。

熱意だけで走りそうになり、先輩から教えられ、失敗し、人の仕事を知っていきます。

悦子も同じです。

「希望していなかった仕事だから適当にやる」のではなく、目の前にある仕事を本気でやった結果、その仕事の奥深さに気づいていきます。

こんな人におすすめ

異動や配属に納得できていない人、裏方の仕事にやりがいを見失っている人には特におすすめです。『重版出来!』より恋愛やファッションの比重は高めですが、「仕事に本気になる楽しさ」という部分はかなり近いですよ。

舟を編む

静かな熱量で選ぶなら、『舟を編む ~私、辞書つくります~』はかなり強くおすすめしたい作品です。

三浦しをんさんの小説を原作にした2024年のドラマ版では、池田エライザさん演じる岸辺みどりの視点から物語が描かれます。

『舟を編む ~私、辞書つくります~』の長い時間をかけて仕事を未来へつなぐ姿を示すスライド

みどりは大手出版社・玄武書房のファッション誌編集者でしたが、辞書編集部へ異動することに。

そこには野田洋次郎さん演じる馬締光也をはじめ、言葉と辞書作りに人生をかける人たちがいます。NHKオンデマンドの第1話紹介でも、未知の辞書編集へ異動したみどりが「大渡海」の編さんに関わるところから物語が始まることが確認できます。

派手な逆転劇が次々起こる作品ではありません。

一つの言葉について考え、一枚の紙の手触りを確かめ、何年も先の完成を目指して仕事を続ける。

だからこそ、仕事を長く続けることの意味がじわじわ伝わってきます。

『重版出来!』が「一冊の漫画を読者へ届けるまで」を描いた作品だとすれば、『舟を編む』は「一冊の辞書を未来へ残すまで」を描いた物語と言えるかもしれません。

特に心に残るのは、成果がすぐ見えない仕事への向き合い方です。

私たちは仕事をしていると、どうしても評価や数字を早く欲しくなります。

売れたのか。認められたのか。昇進できたのか。

けれど辞書編さんは、そんな短い時間軸では進みません。

何年も言葉を集め、確認し、修正し、紙やデジタルの形まで考える。

途中では紙の辞書をめぐる大きな問題も起こり、みどりたちは自分たちが守りたいものと時代の変化の間で考えることになります。

「自分が完成を見るため」だけではなく、「次の誰かへ渡すため」に働く。

この感覚が好きなら、『重版出来!』ファンとの相性はかなり高いです。

勢いのある黒沢心とはタイプの違う主人公ですが、仕事を知るほど表情が変わっていくみどりを見ていると、仕事への愛情が静かに育っていく瞬間を感じられます。

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辞書作りの静かな熱に惹かれた方には原作小説も相性のいい一冊です。言葉を選ぶ人たちの時間を、自分のペースでじっくり味わえます。

わたし、定時で帰ります。

仕事への情熱を描くドラマというと、「どれだけ長く働けるか」「どれだけ自分を犠牲にできるか」が美談になりがちです。

そこへ真正面から「本当にそうなの?」と問いかけたのが『わたし、定時で帰ります。』です。

『わたし、定時で帰ります。』の自分を守る境界線とチームを守る働き方を示すスライド

2019年にTBS系で放送され、吉高由里子さん演じるWeb制作会社のディレクター・東山結衣は、残業をせず定時で帰るという働き方を貫いています。

TBS公式でも、本作は長時間労働や残業を切り口に、働く人の意識や仕事と生活のバランスを描く作品として紹介されています。

ただし、このドラマは「仕事なんてほどほどでいい」と言っているわけではありません。

むしろ結衣はかなり仕事ができる人です。

限られた時間で段取りを考え、問題のあるメンバーから目を背けず、必要なときにはチームを守ろうとします。

ここが『重版出来!』とつながる部分です。

黒沢心の働き方とはかなり違います。

心は全力で走り回るタイプ。一方の結衣は、仕事に人生すべてを飲み込まれないための線を引きます。

でも二人とも、「自分だけが評価されればいい」とは考えていません。

周りの人が力を出せる状態を作り、チーム全体で仕事を終わらせようとする。

その意味では、表面の働き方が違うだけで、根にある仕事観は意外と近いと思います。

そして結衣が定時退社にこだわる背景には、過去の働き方から得た痛みがあります。

その経験を「もっと頑張れる人間にならなければ」と捉えるのではなく、自分の働き方を作り直すきっかけにしているのが重要です。

仕事に疲れているときに見るなら、この7作品の中でも特におすすめです。

「仕事を愛すること」と「仕事のために自分を壊すこと」は同じではない。その当たり前なのに忘れやすい境界線を思い出させてくれます。

これは経費で落ちません!

「派手な仕事ではなくても、本気でやればこんなに面白いのか」と思わせてくれるのが『これは経費で落ちません!』です。

2019年にNHKで放送された本作の主人公は、石鹸メーカー・天天コーポレーションの経理部で働く森若沙名子。

『これは経費で落ちません!』の数字の向こう側にいる人と事情を見る仕事を示すスライド

多部未華子さん演じる森若さんは、領収書や請求書を確認し、会社のお金が正しく使われているかを見ていきます。

NHKオンデマンドの第1話でも、森若さんが佐々木真夕や田倉勇太郎、新発田部長ら経理部の仲間と経費審査を行い、営業側から持ち込まれる領収書の疑問を追っていくところから始まります。

経理と聞くと、数字とパソコンに向かう静かなドラマを想像するかもしれません。でも実際に描かれるのは、領収書一枚の向こう側にいる「人」です。

なぜこのお金を使ったのか。

なぜ説明できないのか。

誰かが得をし、誰かが負担を背負っていないか。

数字を調べていくほど、部署ごとの事情や人間関係が見えてきます。『重版出来!』の営業部と編集部がそうだったように、会社では部署によって正しさが違います。

営業には営業の事情があり、経理には経理の責任がある。どちらかを悪者にして終わらせず、それぞれの立場を見せてくれるところがこの作品の魅力です。

さらに面白いのが、森若さん自身も変化していくこと。最初は「何事にもイーブン」を大切にし、できるだけ他人の領域へ踏み込みません。

しかし仕事を通してさまざまな人の事情に触れるうち、数字だけでは整理できないものがあることを知っていきます。

後半では経理部に新しい価値観を持つ人物も加わり、「正しさとは何か」そのものが揺さぶられます。

ルールを守ることと、人を見ること。

この二つを両立させようとする森若さんの姿は、派手ではないのにものすごく格好いいです。『重版出来!』で営業マン・小泉が仕事への見方を変えていくエピソードが好きだった方にもおすすめですよ。

ハコヅメ

仕事のリアルさとチームの温かさ、その両方を笑いながら味わいたいなら『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』です。

2021年に日本テレビ系で放送され、戸田恵梨香さん演じる藤聖子と、永野芽郁さん演じる新人警察官・川合麻依を中心に物語が進みます。

『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』の疲労や挫折の中で自分の役割を見つける姿を示すスライド

川合は警察官という仕事に使命感を燃やして入った人物ではありません。むしろ交番勤務の大変さに疲れ、辞職を考えているところから始まります。

公式のイントロダクションでも、川合はハードな交番勤務に疲れ、辞表を握りしめた状態で藤と出会う人物として紹介されています。

ここがいいんですよね。最初から「人々を守るため命をかけます!」という完璧な警察官ではない。眠い。疲れた。帰りたい。理不尽なことも多い。そんな本音を抱えながら、それでも目の前の仕事をする。

原作者の泰三子さんが警察勤務経験を持つこともあり、作品には華やかな事件捜査だけでなく、地道な公務や職場の疲労感まで盛り込まれています。日本テレビ公式の原作紹介でも、原作者は県警での勤務経験を経て漫画家へ転身した人物として紹介されています。

そして、『重版出来!』好きにおすすめしたい最大の理由がチームです。

藤と川合だけではありません。源、山田、牧高、伊賀崎所長ら、町山署のメンバーそれぞれに得意不得意があり、事件によって組み合わせが変わります。主要スタッフでは根本ノンジさんが脚本を担当しています。

川合が描いた似顔絵が捜査の手がかりになるように、一見すると新人の小さな能力が、チームにとって重要な力へ変わる場面もあります。

「自分なんて役に立っていない」と思っていた人が、自分にしかできない役割を見つけていく。

この構造は、『重版出来!』の小泉の成長にもよく似ています。コメディ色が強いので気軽に見やすい一方、仕事のしんどさや過去の傷についてはかなり真剣。笑えるお仕事ドラマが見たいけれど、最後にはちゃんと胸を熱くしたい。そんなときにおすすめです。

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ドラマの笑いと仕事のリアルが好きだった方は、原作漫画でも町山署の面々を追えます。ドラマの先まで人物たちの仕事と関係性を読みたい人に向いています。

アトムの童

『重版出来!』の「ものづくり」の部分が好きなら、『アトムの童』も候補に入れてみてください。

2022年にTBSの日曜劇場で放送されたオリジナルドラマで、舞台はゲーム業界。

『アトムの童』のものづくりを諦めた人が仲間ともう一度挑む姿を示すスライド

主人公は山﨑賢人さん演じる天才ゲーム開発者・安積那由他です。

TBSでは、那由他が周囲の人々と関わりながら、大資本の企業へ立ち向かう物語として紹介されています。

那由他は物語の開始時点ですでにゲーム制作の第一線から離れています。そこへ、経営危機に陥った老舗玩具メーカー「アトム玩具」が現れます。

長年玩具を作ってきた職人たちと、デジタルの世界でゲームを生み出す若者。普通なら交わらなそうな人たちが、一つの作品を作るためにつながっていきます。

ここが『重版出来!』好きにはたまらないところです。『重版出来!』では漫画家だけでは漫画を読者へ届けられません。『アトムの童』でも、天才クリエイター一人だけでは作品は完成しない。

企画する人、作る人、会社を守る人、技術を持つ人。それぞれの得意分野が合わさって初めて形になります。さらに那由他には、ゲーム制作から離れるきっかけになった過去があります。

だから物語の中心は、巨大企業との単純な勝ち負けだけではありません。

「もう作らない」と離れた人間が、もう一度作りたいと思えるのか。

そこに再起のドラマがあります。一方、『重版出来!』よりも企業同士の対立や逆転劇はかなり大きめです。日常の職業描写をじっくり味わうというより、チームで大きな敵に挑む高揚感を求めている人に向いています。

◆nanaのおすすめポイント
中田伯のような「作らずにはいられない人」に惹かれた方は、那由他やゲーム開発者たちの姿も面白く見られると思います。ただ才能を称賛するだけではなく、その才能が人とつながって初めて大きな仕事になるところまで描いているのが好きです。

7作品を4つの軸で比較

ここまで7作品を紹介してきましたが、「結局、今の自分にはどれが合う?」と迷いますよね。そこで、『重版出来!』との共通点として挙げた4つの軸から整理してみます。

7作品を専門職のリアル・仲間との協働・挫折からの再起・前向きさで比較したスライド

以下は作品の優劣ではなく、この記事で扱うテーマとの近さを私なりに整理したものです。

作品専門職のリアルチーム挫折と再起前向きさ
空飛ぶ広報室
地味にスゴイ!校閲ガール
舟を編む
わたし、定時で帰ります。
これは経費で落ちません!
ハコヅメ
アトムの童

同じ「お仕事ドラマ」でも、かなり方向性が違います。『重版出来!』の何が一番好きだったのかを思い出して選ぶと、次の一本を外しにくくなりますよ。

前向きさが強い作品

とにかく今、仕事で少し元気が欲しい。そんなときは『空飛ぶ広報室』『地味にスゴイ!校閲ガール』『ハコヅメ』から選ぶのがおすすめです。

3作品に共通するのは、「今いる場所が理想とは限らない」というところから始まること。

悦子は希望の部署ではない。

川合は仕事を辞めたい。

空井は思い描いていた職業人生を続けられない。

それでも、今目の前にいる人と仕事をすることで、その場所の見え方が少しずつ変わります。これは働いていると意外と大事なことかもしれません。私たちはつい、「自分に向いている仕事さえ見つかれば毎日楽しくなる」と考えてしまいます。

でも実際には、仕事内容だけではなく、一緒に働く人、任され方、自分がどう関わるかによって仕事の意味は変わります。

『重版出来!』の小泉もそうでした。最初から営業という仕事を愛していたわけではありません。

心と書店を回り、漫画が読者へ届く瞬間を見ることで、自分の仕事が何につながっているのかを知ります。仕事そのものが突然変わらなくても、「誰のための仕事なのか」が見えると景色が変わる。

そんな感覚をもう一度味わいたいなら、この3作品から選んでみてください。

挫折と再起が刺さる作品

反対に、今まさに何かを諦めたり、思い描いていた道から外れたりしている人には、『空飛ぶ広報室』『わたし、定時で帰ります。』『アトムの童』が強く残ると思います。

この3作品は、主人公たちが過去を完全に忘れて新しい人生へ進む話ではありません。失ったものや傷ついた経験を抱えたまま働きます。

ここが大切なんですよね。ドラマでは「挫折したけれど、努力して元の夢をつかみました」という物語も多く描かれます。

でも人生では、戻れない道もあります。だから『重版出来!』の沼田の物語はあれほど苦しい。続ける勇気だけではなく、やめる勇気もある。夢が変わっても、人の価値までなくなるわけではない。

その視点を持って見ると、今回紹介した作品の「再起」が、単純な成功よりずっと深く感じられると思います。

『重版出来!』自体の最後がどのように「仕事と人のつながり」を結んだのか振り返りたい方は、『重版出来!』最終回の結末と登場人物のその後も参考にしてください。

仕事で元気が欲しい時と挫折を癒したい時に見る作品を分けた選び方スライド

重版出来みたいなドラマのよくある質問(FAQ)

Q1. 重版出来に一番近いドラマはどれですか?

nanaの回答

A. 一作品だけ選ぶなら、私は『空飛ぶ広報室』をおすすめします。職業は違いますが、夢を失った人物の再出発、個性的なチーム、専門職への敬意、仕事を通じて人が変わっていく流れが『重版出来!』とよく似ています。さらに両作品とも野木亜紀子さんが脚本を担当しているため、仕事と人間を描くときの温度感にも通じるものがあります。

Q2. 出版社が舞台の似たドラマはありますか?

nanaの回答

A. 出版業界という共通点を重視するなら、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』と『舟を編む ~私、辞書つくります~』がおすすめです。前者は校閲、後者は辞書編集という、漫画編集とは違う角度から「本を作る仕事」を描いています。

Q3. 恋愛要素が少ないお仕事ドラマはどれですか?

nanaの回答

A. 仕事そのものをじっくり楽しみたいなら、『舟を編む』『これは経費で落ちません!』『ハコヅメ』が選びやすいです。恋愛や私生活も描かれますが、物語の中心には辞書編さん、経理、警察という仕事がしっかり置かれています。

Q4. 仕事に疲れているときに見るならどれがおすすめですか?

nanaの回答

A. 働きすぎて疲れているなら『わたし、定時で帰ります。』、仕事へのやる気そのものを失っているなら『ハコヅメ』や『地味にスゴイ!校閲ガール』がおすすめです。今の環境で頑張り続けることだけを正解にせず、自分に合った働き方や仕事との距離を考えられる作品を選んでみてください。

Q5. 7作品は現在どこで見られますか?

nanaの回答

A. 動画配信サービスのラインナップは時期によって変わります。再配信や見放題対象の変更、レンタルへの切り替えなどもあるため、視聴する直前に各放送局や動画配信サービスの公式ページで作品名を検索して確認するのが確実です。古い配信情報だけを見てサービスへ登録しないよう注意してください。

重版出来の次に見るなら

『重版出来!』みたいなドラマを探すとき、出版社という舞台だけで選んでしまうと、少し違う作品に感じることがあります。

本当に探したいのは、おそらく「大人が本気で仕事をする姿を見て、自分ももう少し頑張ってみようと思えるドラマ」ではないでしょうか。

同じ業界ではなく今の心境に合う再出発の物語を選ぶことが大切だとまとめたスライド

今回紹介した7作品は、職業も雰囲気もかなり違います。

その中でも、『重版出来!』を見終えた直後なら、まずは『空飛ぶ広報室』を選ぶのが私のおすすめです。人生の第一希望を失った人が、新しい仕事と仲間に出会い、少しずつ自分の居場所を作っていく。

その姿には、柔道の道を断たれたあと「誰かを励ます漫画を作る側」へ進んだ黒沢心と同じ種類の強さがあります。

もし『重版出来!』で一番心に残ったのが、沼田のような「夢を諦める側」の物語だったなら、『空飛ぶ広報室』や『わたし、定時で帰ります。』を。

小泉のように、仕事の意味を後から見つける人物が好きだったなら、『校閲ガール』『これは経費で落ちません!』『ハコヅメ』を。

そして、一冊の漫画をみんなで世に出す「ものづくりのチーム」が好きだったなら、『舟を編む』や『アトムの童』へ進んでみてください。

『重版出来!』の次に選ぶ作品で大切なのは、同じ業界かどうかではありません。

専門職のリアルがあり、仲間と協力する喜びがあり、失敗した人にも次の道があり、見終わったあと少しだけ前を向けること。この4つを基準にすると、あのドラマで感じた熱量を失わず、次の一本へ進めると思います。

仕事がうまくいっているときと、仕事を辞めたいときでは、同じドラマを見ても心に残る人物が変わります。

以前は黒沢心のまっすぐさに惹かれていたのに、数年後に見返したら安井の苦さや沼田の決断が胸に刺さる。『重版出来!』には、そんな不思議な余白があります。次に見るドラマでも、あなたの今の気持ちにそっと重なる人物が見つかるかもしれません。

今日のあなたには、どの「再出発」の物語が一番しっくりきそうですか。

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