こんにちは、nanaです。
『愛の不時着』のユン・セリを思い浮かべると、ストーリーと一緒に衣装まで鮮明によみがえってきませんか。ソウルでは隙のないジャケットやコートをまとった経営者、北朝鮮ではそれまでの生活から切り離された素朴な姿、そしてスイスではまた違った柔らかな表情を見せます。
以前のこの記事では、セリが着用したとされるブランドを次々に紹介し、ツヤ肌の作り方や髪型、美容法までかなり広く扱っていました。でも改めて資料を確認すると、この衣装記事でもっと大切にしたいのは「同じ服をどこで買えるか」だけではありません。
ソン・イェジンさん自身も、セリのスタイルは彼女がデザイナー兼経営者として成功した人物であることを表現するために重要だったと話しています。つまり、ファッションはセリを美しく見せる飾りというだけではなく、彼女がどんな世界で、どんな立場を守りながら生きているのかを伝えるものでもあったんですよね。
この記事では、ソウル・北朝鮮・スイスで変わるセリの衣装を軸に、ヘアメイクの違いや確認できるブランド情報、公式展で公開された実物衣装も含めながら、ユン・セリという女性の変化を読み解いていきます。
※この記事には『愛の不時着』の物語後半と最終回に触れる内容があります。
- ソウルと北朝鮮でセリの衣装が大きく変わる理由
- セリの衣装について確認できるブランド情報
- 担当スタッフが明かしたヘアメイクの違い
- パラグライダー衣装など公式展で公開された実物
- スイスでのセリがソウル時代と違って見える理由
『愛の不時着』セリの衣装は「おしゃれ」だけではない
ユン・セリは韓国の財閥令嬢であり、自らライフスタイル企業を率いる経営者です。物語の冒頭から、服装にもその社会的な立場がはっきり表れています。
ソン・イェジンさんは海外メディアのインタビューで、スタイルが重要だった理由について、セリがデザイナー兼起業家として成功している人物であることを見せるためだったと説明しています。また別のインタビューでは、セリの衣装はファッションブランドのCEOという役柄に合わせ、かなり華やかに作られていたとも話しています。
そう考えると、ソウルでのハイブランドは「財閥令嬢だから高い服を着ている」というだけではありません。服を見ただけで、この女性は自分の世界を持ち、その中心に立っている人なのだと伝わるように作られているんですね。
服はセリの成功を見せる「名刺」のようなもの
ソウルのセリには、仕事で相手に隙を見せない強さがあります。シャープなジャケットや存在感のあるコート、アクセサリーなども、その人物像とよく重なります。
もちろん、「この服には孤独を隠すという制作意図があった」とまで断定することはできません。ただ、前の記事でも取り上げたインテリアと合わせて見ると、完璧に整えられた服装と空間の中で、セリが一人で生きている姿が印象的に見えるのは確かです。

ここがポイント
ソウルのセリの衣装は、単なるハイブランド紹介として見るより、「自分の力で成功した経営者」という立場を一目で伝えるための装いとして見ると、人物像と自然につながります。
ソウルのセリは「選べる人」だからファッションも強い
韓国にいるセリには、服を選ぶ自由があります。仕事相手にどう見せるのか、どんな自分でいたいのかを考え、その日の役割に合わせて装うことができます。
実際、海外ファッションメディアでは『愛の不時着』でセリがBalmain、Burberry、Celine、Louis Vuittonなどのラグジュアリーブランドを着用したことが紹介されています。少なくとも、ハイブランドを意識的に使って彼女の社会的な地位を見せていたことは確認できます。
ブランド名より大切なのは「自分で選んでいる」こと
以前の記事ではESCADAをはじめ、多数の商品について具体的なアイテム名まで紹介していました。ただ、ネット上で紹介されているすべての商品について、制作側やブランド自身が撮影使用品と認めているわけではありません。
ですから今回は、確認できる範囲以上に商品名を増やすことはしません。それよりも注目したいのは、ソウルのセリが自分がどう見られるかまで含めて服を選択できる女性だということです。北朝鮮へ不時着すると、この当たり前だった自由が一度すべて失われます。
北朝鮮でセリの服が変わるのは「庶民的になった」からではない
北朝鮮へ不時着したセリは、それまでの生活から突然切り離されます。会社も財産もクローゼットも使えず、自分が着たい服を自由に用意できる環境ではありません。
そのため画面上でも、ソウルのセリとは大きく違う姿になります。ただ、これを「高慢な財閥令嬢が素朴な女性へ変身した」とだけ見ると、少し単純すぎるように思います。
セリの性格そのものが消えたわけではありません。服を自由に選べない状況になっても、言いたいことは言いますし、村の女性たちとも独特の距離感で関係を作っていきます。豪華な服を脱いだから「本当のセリ」になったのではなく、社会的な肩書や外側の装備を使えなくなったときにも残るセリらしさが見えてくるんですよね。

ソウルと北朝鮮はヘアメイクまで意図的に分けられていた
この違いは、視聴者の印象だけではありません。ソン・イェジンさんのヘアスタイリストとメイクアップアーティストは、『愛の不時着』では「ソウル」と「北朝鮮」という二つのコンセプトを明確に分けていたと説明しています。
ソウルでは、CEOらしいカリスマ性と上品さを表すため、髪もよりスタイリッシュに整えられています。一方、北朝鮮では偶然不時着した状況に合わせ、メイクはかなり抑え、髪も作り込みすぎない自然な状態を意識していたそうです。
| ソウルのセリ | 北朝鮮のセリ |
|---|---|
| CEOとしての洗練された装い | 手に入る服で暮らす |
| 華やかなラグジュアリーブランド | 素朴で生活感のある衣装 |
| スタイリッシュに整えた髪 | 自然な動きを残した髪 |
| 上品さとカリスマ性を意識したメイク | メイクを極力抑えた自然な表情 |
| 自分の装いを選べる | 選択肢そのものが限られている |
ここまで意図的に違いが作られていたと知ると、セリの衣装を見る楽しさも変わります。「韓国の方がおしゃれ、北朝鮮の方が地味」という単純な比較ではなく、置かれた状況そのものを服とヘアメイクで見せていたことが分かります。
「すっぴん風」ではなく、作り込みを減らした自然さ
以前の記事では、セリのツヤ肌を再現するためのベースメイクや、顔を小さく見せるメイク方法などを細かく説明していました。でもこれは『愛の不時着』の記事としては少し方向が違っていました。
担当メイクアップアーティストによれば、北朝鮮のセリにはアイシャドウやマスカラをほとんど使わず、まつ毛も強くカールさせず、唇も色の強いリップではなくリップバーム程度に抑えたとされています。また、室内で洗顔後や寝起きといった場面では、髪までプロが整えたように見えないことを大切にしていました。
「美しく見せる」より場面の現実感を優先した
ここがかなり面白いところです。スター俳優が主演するドラマなら、どんな場面でも髪や肌をきれいに整えたくなりそうですよね。でも『愛の不時着』では、「今この人が置かれている状況なら、本当にこんなに整っているだろうか」というリアリティを優先していました。
ソン・イェジンさん自身も、自然に見える場面ではプロが完璧に仕上げたような髪型を好まず、自分で髪を整えることもあったと担当スタイリストが明かしています。つまり北朝鮮でのセリの美しさを、「この化粧品を使えば再現できる」という美容テクニックだけに変換する必要はありません。
美しく見せるために足すのではなく、その場にいないはずの“作り込み”を引いていったことの方が、作品を見るうえではずっと興味深いと思います。

公式展ではセリが実際に着用した衣装を見ることができた
2021年に日本で開催された『愛の不時着』展では、劇中で実際に使用された衣装や小道具も展示されました。なかでも作品の始まりを象徴する、セリがパラグライダーで不時着した際の衣装とパラグライダーが実物展示されています。
これは、ネット上で「似ている商品」を特定した情報とは意味が違います。実際の撮影で使用されたものとして公式展に出た衣装だからこそ、確かな劇中アイテムとして紹介できます。
パラグライダー衣装は「ユン・セリ」が崩れ始める最初の服
物語の冒頭では、セリは自分の会社を率い、服装も仕事も自分でコントロールできる女性です。ところがパラグライダー事故によって、その日常から一瞬で切り離されます。
そう考えると、不時着時の衣装は単に「第1話で着ていた服」ではありません。この服を境にして、セリはCEOとして用意された世界から、自分の肩書が通用しない場所へ入っていくことになります。
公式展でこの服が展示されたのも、『愛の不時着』の始まりを一目で思い出せる象徴的な衣装だからなのでしょう。
北朝鮮で服を選べなくなっても「セリらしさ」は消えない
衣装が大きく変わると、人物まで変わったように見えることがあります。でもセリの場合、北朝鮮で素朴な服を着ていても、ソウルにいた頃の強気さや判断力は残っています。
むしろ、ブランドや肩書を使えない環境だからこそ、服以外の部分から彼女の性格がよく見えてきます。村の女性たちとのやり取りでも、最初は警戒しながら、やがて周囲の人への愛情を行動で返していく。その変化は「地味な服を着たから優しい女性になった」という単純なものではありません。
セリが北朝鮮で見つけたものは、本当の自分になるためにおしゃれを捨てることではなく、おしゃれや肩書がなくても自分を見てくれる人との関係だったのではないでしょうか。

ソウルへ戻ると華やかな服も戻る|でも以前と同じではない
韓国へ戻れば、セリは再び自分の会社へ戻り、洗練された服装も復活します。ここで彼女が北朝鮮での暮らしを経たからといって、急にハイブランドを捨てて素朴な女性になるわけではないところが、私は好きです。
セリにとってファッションはもともと仕事とも関係する大切なものです。だから成長を表すために「高価な服をやめさせる」必要はありません。変化したのは何を着るか以上に、その服を着て戻った場所で、誰のことを思いながら生きているのかという部分なのでしょう。
服を取り戻しても、北朝鮮で得た時間までは消えない
以前と同じように美しく整えられたセリを見ても、序盤とまったく同じ女性には見えません。それは視聴者が、ジョンヒョクの家で過ごした彼女や、村の女性たちと笑った彼女、第5中隊の兵士たちを気遣う彼女を知っているからです。
衣装はソウル仕様へ戻っても、その内側にある人物の記憶は元には戻りません。この点は、『愛の不時着』のインテリア・小物の記事で見た「同じ部屋でも、過ごした時間によって意味が変わる」という部分ともよく似ています。
スイスのセリは「CEO」と「不時着した女性」のどちらでもない
物語終盤のスイスでは、セリは再び美しく整えられた服を身につけています。ただし、ソウル序盤のビジネスシーンと同じような緊張感ではなく、より柔らかな印象が残ります。
ここで「シフォンだから解放を意味する」「花柄だから幸福を象徴する」といったところまで、制作側の意図として断定することはしません。以前の記事にはそのような説明がありましたが、今回確認した資料では、特定の素材や柄に公式な心理的意味が与えられたことまでは確認できませんでした。
最後にあるのは、誰かに合わせるためではない装い
それでも、スイスでのセリが序盤とは違って見えること自体は興味深いところです。もう北朝鮮に不時着して服を選べない女性ではなく、ソウルで自分の立場を示すためだけに装っている場面でもありません。
仕事を持ち、自分の人生へ戻ったまま、ジョンヒョクとの時間も大切にしている。だから最終盤の装いは、北朝鮮で何かを捨てた結果というより、セリが自分の世界と大切な人の両方を失わずに生きている姿と一緒に見ると、とても自然に感じられます。

愛の不時着のセリ着用ブランドはどこまで分かる?
「セリの衣装はどこのブランド?」と検索してこの記事へ来た方も多いと思います。ファッションメディアなどでは、『愛の不時着』でBalmain、Burberry、Celine、Louis Vuittonといったブランドがセリの衣装に使われたことが紹介されています。
ただし、インターネット上には、それ以上に数多くのブランド・型番・アクセサリー名が掲載されています。それらすべてについて制作側や各ブランドから確認できるわけではないため、この記事では「ネットで特定されている=公式確認済み」とは扱いません。
| 記事で扱う情報 | 慎重に扱う情報 |
|---|---|
| 本人やスタッフのインタビュー | SNSだけのブランド特定 |
| 公式展で公開された実物衣装 | 外見が似ている商品 |
| 信頼できる媒体で確認できるブランド | 販売サイトだけの「セリ着用」表記 |
| ブランド自身が作品との関係を公表したもの | 型番まで根拠なく断定された情報 |
具体的な商品名をたくさん並べる方が、一見すると情報量は多く見えます。でも『ドラマの余白』では、数を増やすよりも「どこまで確認できている情報なのか」を分けて伝える方を大切にします。
セリ風のファッションやメイクをまねするなら?
作品を見てセリの雰囲気に憧れること自体は、とても自然だと思います。ただし、ソン・イェジンさんの顔立ちや肌をそのまま再現するための美容テクニックを断定するのではなく、作品で実際に使われた「印象の作り分け」を参考にする方が現実的です。
仕事の日なら、ラインの整ったジャケットやコートなど、全体をすっきり見せる服を選ぶ。休日なら髪やメイクを作り込みすぎず、自分の自然な部分を残す。こうした考え方なら、特定のブランドを大量に購入しなくても取り入れることができます。
「セリと同じ顔」ではなく「場面に合った見せ方」を参考にする
担当スタッフの話から分かるのは、セリの美しさに一つの正解があったわけではないことです。ソウルではCEOとしての洗練、北朝鮮ではその状況に合った自然さを優先していました。
だから「このファンデーションを使えばセリ肌になる」「この巻き方なら完全再現できる」という話より、その日の自分がどんな場所にいて、どんな自分でいたいのかに合わせて装いを変えるという考え方の方が、セリのファッションには近いのかもしれません。
ここがポイント
セリの魅力は、いつでも同じ「完璧な美人」に見えることではありません。ソウルでは強く、北朝鮮では自然に、そしてスイスでは穏やかに見える。場面によって見せ方を変えながらも、ユン・セリという人物の芯はずっと残っています。
愛の不時着セリの衣装・美容に関するFAQ
セリはどんなブランドの服を着ていた?
ファッションメディアでは、Balmain、Burberry、Celine、Louis Vuittonなどのラグジュアリーブランドが紹介されています。ただし、ネット上で紹介されているすべての型番やブランドについて公式確認が取れているわけではありません。
北朝鮮とソウルでセリのメイクは変えていた?
はい。担当メイクアップアーティストは、ソウルではCEOとしてのカリスマ性や上品さを意識し、北朝鮮では不時着した状況に合わせてメイクをかなり抑えたと説明しています。
北朝鮮でのセリは本当にほぼノーメイクだったの?
担当スタッフによると、北朝鮮場面ではアイシャドウやマスカラなどを抑え、リップも色の強いものではなく自然に見える仕上げを意識していたとされています。映像作品なので、完全な意味で何も施していないというより、「作り込んで見えない」自然さを目指したと考えるのが適切です。
セリの髪型もソウルと北朝鮮で違う?
はい。担当ヘアスタイリストは、ソウルではよりスタイリッシュに整え、北朝鮮では台本にあるラフな印象に合わせて自然に見せていたと説明しています。
『愛の不時着』で実際に使われたセリの衣装は公開された?
2021年に日本で開催された『愛の不時着』展では、セリが不時着した際に使用したパラグライダー衣装をはじめ、実際の劇中衣装や小道具が展示されました。
まとめ|セリの衣装が変わっても、ユン・セリは消えない
『愛の不時着』のセリの衣装を改めて見ていくと、ブランド名を並べるだけでは見えてこないものがあります。
- ソウルでは成功したCEOとしての立場が衣装に表れている
- 北朝鮮では服を自由に選べない状況そのものが外見を変える
- ヘアメイクもソウルと北朝鮮で意図的に作り分けられていた
- 北朝鮮で素朴な服を着ても、セリの強さや性格は消えない
- 韓国へ戻れば洗練された服も戻るが、人物の内側には経験が残る
- スイスでは二つの時間を経たセリの穏やかさが印象に残る
セリは北朝鮮へ行ったことで、ブランド服を着る自分を否定したわけではありません。韓国へ帰れば再び会社を率ち、自分らしく装います。でも、ジョンヒョクや第5中隊、村の女性たちと過ごした時間を知ったあとでは、同じ華やかな服を着た彼女も少し違って見えるんですよね。
ファッションが変わったから、セリの心が変わったのではありません。置かれた場所が変わり、人との関係が生まれ、その経験が増えたことで、同じ女性の見え方が変わっていったのだと思います。
『愛の不時着』のセリの衣装が印象に残るのは、服が美しいからだけではなく、その服を着ているときの彼女が「どこにいて、誰と生きているのか」まで一緒に映していたからなのでしょう。
参考にした公式・関連情報
作品の基本設定については、Netflix公式『愛の不時着』を確認しています。セリのファッションについては、ソン・イェジンさん本人へのインタビューで、CEOとしての成功を表現するためにスタイルが重要だったことを確認しています。ヘアメイクについては、ソン・イェジンさんの担当ヘアスタイリストとメイクアップアーティストが語った、ソウルと北朝鮮でのスタイリングの違いを参照しています。劇中衣装については、2021年に日本で開催された『愛の不時着』展の公式発表・イベント資料を確認しています。

