こんにちは、nanaです。
「リーガル・ハイ」を見ていると、どうしても無視できない存在がありますよね。そうです、主人公・古美門研介が奏でる、あの破壊的なバイオリンの音色です。
堺雅人さんの怪演と相まって、もはや「騒音」のレベルに達しているあの演奏ですが、ドラマを見返すたびに「これって何ていう曲だっけ？」「なんでこんなに下手に弾く演出なんだろう？」と、気になって仕方がないという方も多いのではないでしょうか。
実は、あの耳障りな不協和音には、古美門研介という希代の偏屈弁護士のキャラクターを決定づける、計算し尽くされた深い演出意図が隠されているんです。単なるギャグシーンとして笑って済ませるにはもったいない、制作陣のこだわりが詰まっています。
この記事では、ドラマを愛してやまない私が、古美門のバイオリンにまつわる楽曲の秘密から、驚愕の楽器価格、そして撮影の裏側まで、徹底的にリサーチした結果をシェアします。
🎵 ドラマの興奮が蘇る！林ゆうきの名盤サントラ
古美門のバイオリンはさておき（笑）、ドラマ本編を彩るBGMは本当にかっこいいですよね。林ゆうきさんが手掛けた劇伴は、ファンクやソウル、ジャズを融合させたスタイリッシュな楽曲ばかり。「LEGAL-HIGH」を聴きながら通勤すれば、あなたも無敗の弁護士気分で一日をスタートできるはずです。
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リーガル・ハイのバイオリン曲名と演奏が下手な理由
古美門研介の優雅な（？）朝のルーティンとして描かれるバイオリン演奏シーン。ここでは、彼が愛奏する具体的な曲名の詳細と、なぜあのような「破壊的な演奏」として演出されているのか、そのドラマツルギーを深掘りしていきましょう。
古美門が弾く曲名はツィゴイネルワイゼン
ドラマの第1話冒頭から視聴者の度肝を抜いたあの曲。古美門が最も頻繁に、そして最も感情を込めて（音程は外しながら）演奏している曲の正体は、スペインのバイオリニスト兼作曲家、パブロ・デ・サラサーテが作曲した『ツィゴイネルワイゼン（Zigeunerweisen）』です。
この曲名はドイツ語で「ジプシー（ロマ）の旋律」を意味します。バイオリン独奏曲としては世界で最も有名な曲の一つと言っても過言ではありません。
楽曲の構成は、ドラマティックで重厚な悲しみをたたえた「Lento（緩やかに）」の導入部から始まり、装飾音符を多用した即興的なメロディを経て、最後は演奏者の指が燃え上がるような熱狂的な「Allegro molto vivace（非常に速く生き生きと）」へと突入します。
古美門が好んで弾いているのは、主に冒頭の重々しい導入部分です。本来であれば、聴く人の胸を締め付けるような哀切と、バイオリンという楽器が持つ艶やかさが際立つ名旋律なのですが、古美門の手にかかるとどうでしょう。
あの「ギコギコ」というノイズ交じりの音は、悲劇を通り越して喜劇へと昇華されています。「優雅なクラシック音楽」と「耐え難い騒音」という強烈なギャップ。これこそが、視聴者を一瞬で「古美門ワールド」へと引きずり込む、強力なオープニングフックとして機能しているのです。
豆知識：『ツィゴイネルワイゼン』は、高度な左手の運指技術（ピチカートやフラジオレットなど）と、右手の弓のコントロールが要求される超難曲です。プロのバイオリニストにとっても、リサイタルの最後を飾るような「勝負曲」。それを初心者が弾こうとすること自体が、ある種無謀な挑戦なのです。
🎻 耳の保養に……本物の「ツィゴイネルワイゼン」を
古美門の演奏で耳が疲れてしまった方へ（笑）。一度、世界的な巨匠による「本物」の演奏を聴いてみてください。ハイフェッツやパールマンの演奏は、同じ曲とは思えないほど技巧的で、情熱的で、そして泣けます。クラシック音楽の奥深さに触れる良い機会になるかもしれません。
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劇中で使用されるチャルダッシュなどの曲
古美門のレパートリーは『ツィゴイネルワイゼン』だけではありません。物語の展開に合わせて、いくつかのクラシック名曲が（やはり無惨な形で）演奏されています。
その筆頭が、イタリアの作曲家ヴィットーリオ・モンティによる『チャルダッシュ（Csárdás）』です。
この曲もハンガリーの民族舞曲を基にしており、哀愁漂うゆったりとした前半（ラッサン）と、急速なテンポで駆け抜ける後半（フリスカ）の対比が特徴です。ドラマ内では、古美門の脳内が高速回転している時や、何かに熱中して興奮状態にあるシーン、あるいは黛（新垣結衣さん）を早口でまくし立てるようなシーンの前兆として使われることが多いように感じます。
古美門のマシンガントークと、『チャルダッシュ』の後半の速弾きは、テンポ感において非常に親和性が高いんですよね。ただし、演奏の指が回らずに音が裏返る描写は、彼の策略が空回りしたり、予期せぬトラブルに巻き込まれたりする未来を暗示しているようにも見えます。
また、カミーユ・サン＝サーンスの『白鳥』も忘れてはいけません。本来はチェロのために書かれたこの曲は、「瀕死の白鳥」としても知られるほど、静謐で美しい旋律が特徴です。湖面を滑るような優雅さを象徴するこの曲を、古美門がノイズまみれで弾くことで、「優雅に見せかけて中身は毒だらけ」という彼の性格の歪みを強烈に皮肉っているのです。
演奏があまりに下手な演出意図とは
ここで一つの疑問が浮かびます。なぜ、脚本家の古沢良太氏や演出陣は、無敗の弁護士であり、あらゆる論理を操る天才・古美門研介に、これほどまでに「下手なバイオリン」を弾かせたのでしょうか？
単なる「笑いをとるため」だけではありません。ここには、キャラクター造形における深い意図が読み取れます。
まず第一に、ミステリーの元祖「シャーロック・ホームズ」へのオマージュとパロディです。ホームズもバイオリンを愛好していましたが、彼は名手でした（考え事をするときに奇妙な音を出すこともありましたが）。対して古美門は、天才的な頭脳と変人性を持ち合わせながら、芸術的なセンス（調和）においては絶望的に欠落しています。
「法廷という論理の世界では誰よりも美しいハーモニー（論破）を奏でるが、感情や道徳といった人間的な世界では不協和音しか出せない」
これこそが、古美門研介という人物の本質ではないでしょうか。
さらに重要なのは、彼自身が「自分の演奏の下手さを自覚していない（あるいは頑なに認めない）」という点です。服部さん（里見浩太朗さん）にお世辞を言われて満更でもない顔をするシーンがありますが、これは彼の肥大したナルシシズムと、「自分が見たい世界しか見ない」という唯我独尊な性格を端的に表しています。あの不快な音色は、視聴者に対して「この男は天才だが、人間としてはどこか壊れている」ということを、言葉以上の説得力で伝えているのです。
📺 古美門＆黛の迷コンビをもう一度！
「やられてなくてもやり返す！」あの名台詞や、堺雅人さんと新垣結衣さんの軽妙な掛け合いは何度見ても最高です。未公開シーンやメイキングが入ったBlu-ray BOXなら、放送ではカットされたアドリブ合戦も見られるかも？週末のイッキ見にぜひおすすめです。
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楽器の値段は億超えのストラディバリウスか
「腕前は三流（以下）だが、道具は超一流」。これも古美門研介のステータスを表す重要な要素です。
ドラマの中で、彼が使用しているバイオリンの具体的なブランド名や鑑定書が映し出されることはありません。しかし、彼の生活様式——豪華な邸宅、専属の執事、最高級のワインや料理、そして着手金だけで数千万円を請求する莫大な収入——を考慮すれば、彼が安物の量産バイオリンを使っているとは到底考えられません。
状況証拠から推測するに、彼が所有しているのは数億円、あるいは10億円〜20億円クラスの「ストラディバリウス」や「グァルネリ・デル・ジェス」といった歴史的銘器である可能性が極めて高いです。
| 楽器名 | 推定価格帯 | 備考 |
|---|---|---|
| ストラディバリウス | 数億円〜20億円超 | 1700年代黄金期の作品は天井知らずの高値 |
| グァルネリ・デル・ジェス | 数億円〜10億円超 | ストラディバリと双璧をなす伝説の製作者 |
| 一般的なプロ用 | 数百万円〜数千万円 | 古美門なら「安物」と見なす可能性あり |
数百年前に作られ、数々の名演奏家が魂を震わせてきた至高の芸術品を、古美門は金に飽かせて手に入れ、毎朝ノコギリのような音を出している。
「名器が泣いている」とはまさにこのことですが、この「豚に真珠」を地で行くスタイルこそが、拝金主義者・古美門研介を皮肉る最高のブラックジョークなのです。もし楽器が安物であれば、その皮肉の強度は半減してしまうでしょう。
サントラや主題歌の楽譜情報の注意点
この記事に辿り着いた方の中には、「リーガル・ハイの曲を弾いてみたい！」と思って楽譜を探している方もいらっしゃるかもしれません。ここで一つ、大きな注意点があります。
検索でヒットする「リーガル・ハイの楽譜」には、大きく分けて2種類が存在します。
- 古美門が弾いているクラシック曲（ツィゴイネルワイゼン等）
- ドラマのBGMとして流れる林ゆうき氏作曲の劇伴（OST）
もしあなたが、ドラマのオープニングや次回予告で流れる、あのかっこいい「チャラッチャッチャ〜♪」という曲を弾きたいのであれば、探すべきタイトルは「LEGAL-HIGH」（作曲：林ゆうき）です。間違っても「ツィゴイネルワイゼン」の楽譜を買ってはいけません。前述の通り超絶難曲なので、初心者が手を出すとバイオリンが嫌いになってしまう恐れがあります（笑）。
ちなみに、WEB検索時に「デイヴィッド・ジョーンズ」という名前の楽曲がヒットすることがありますが、これはドラマとは無関係の同名曲である可能性が高いため、購入の際は作曲者名をしっかり確認することをおすすめします。
🎻 新しい趣味、始めてみませんか？
「古美門みたいに（下手でもいいから）自由に音楽を楽しんでみたい！」そんな衝動に駆られたら、初心者セットから始めてみるのもアリです。最近は独学でも学べる教本付きのセットがお手頃価格で手に入ります。あなただけの音色を探す旅、意外とハマるかもしれませんよ。
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リーガル・ハイでバイオリン指導をした演奏者と裏話
画面の中では、まるで何かが憑依したかのように情熱的にバイオリンを弾く堺雅人さん。ここからは、あのリアリティ（と面白さ）溢れる演奏シーンがどのように撮影されたのか、その舞台裏と影の功労者たちについて解説します。
堺雅人は弾ける？当て振りの技術を検証
まず結論から申し上げますと、主演の堺雅人さんはプロのバイオリニストではありません。したがって、劇中で流れている音と、彼が弾いている映像は別撮りの「当て振り」です。
「なんだ、演技か」と侮るなかれ。堺さんの当て振り技術は、プロの目から見ても「役者魂」を感じさせる凄まじいものです。
バイオリンの当て振りで難しいのは、単に弓をリズムに合わせて動かすことだけではありません。左手の指を細かく震わせる「ビブラート」の動き、高音と低音で変わる腕の角度、そして何より「演奏に入り込んでいる表情」の演技です。
堺さんは、眉間にしわを寄せ、口元を歪め、陶酔しきった顔で体を大きく揺らしながら演奏します。この「体全体の動き」が、音の強弱やリズムと完璧にシンクロしているため、視聴者は「本当に弾いている（下手だけど）」という錯覚に陥るのです。おそらく、相当な時間をかけて運指やボウイング（弓使い）の特訓をされたのではないでしょうか。
指導を担当した演奏者の皆川真里奈
この堺雅人さんの「名演」を裏で支えたのが、演奏指導を担当したプロのバイオリニストたちです。中でも、シーズン2などで指導に関わったとしてファンの間で知られているのが、バイオリニストの皆川真里奈（MariNa）さんです。
皆川さんは、名門・桐朋学園大学音楽学部を卒業された確かな実力を持つクラシック奏者でありながら、ロックやポップス、アニソン、さらにはコスプレをしての演奏活動など、ジャンルの枠を超えたパフォーマンスを行っているアーティストです。
ドラマの撮影現場では、堺さんに対してバイオリンの構え方や弓の動かし方を指導されました。皆川さんご自身が非常に華やかでエンターテインメント性の高い演奏をされる方なので、古美門のあの独特な、ある種「見せること」に特化した演奏スタイルには、彼女のイズムが反映されているのかもしれません。
📚 役者・堺雅人の思考の深淵へ
「リーガル・ハイ」の古美門役や「半沢直樹」など、強烈な役柄を演じ続ける堺雅人さん。彼が普段何を考え、どう役に向き合っているのか？彼自身が綴ったエッセイを読むと、その知的なアプローチと意外な素顔に触れることができます。ファン必読の一冊です。
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下手な音の吹き替えは誰が録音したのか
さて、ここで一つの謎が残ります。あの「耳障りな下手くそな音」は、一体誰が演奏しているのでしょうか？
実は、ドラマや映画の制作において、意図的に「下手な演奏音源」を用意するのは、非常に高度な技術を要する作業であり、通称「プロの犯行」と呼ばれます。
普通にバイオリンが弾ける人が、ただ適当に弾けばいいというわけではありません。それでは「初心者の下手さ」ではなく「ふざけている人の音」になってしまうからです。
- 弓の圧力を不均一にして、意図的に「ギギーッ」というノイズを混ぜる
- 正しい音程から、絶妙に気持ち悪い角度でピッチをずらす
- リズムをわずかにもたつかせて、素人特有の「必死感」を出す
こうした細かいニュアンスをコントロールして録音するためには、楽器を完全に支配できるプロの技術が必要です。公式にクレジットされているわけではありませんが、おそらくは指導を担当した皆川真里奈さんや中田裕一さん、あるいは熟練のスタジオミュージシャンが、映像の尺に合わせて「最高に下手な音」を魂を込めて収録したのだと考えられます。
演奏シーンに声優は関係ない理由
インターネットで検索していると、「リーガル・ハイ バイオリン 声優」や「吹き替え」といった関連キーワードを目にすることがあります。これについて誤解されている方も多いようですが、ドラマ版『リーガル・ハイ』のバイオリンシーンに、声優さんが関与している事実はありません。
なぜこのような検索がされるのか、理由はいくつか考えられます。
- 韓国リメイク版の存在：『リーガル・ハイ』は韓国でもリメイクされており、その日本語吹き替え版が存在するため、キャスト情報が混在している。
- ゲスト出演者の影響：アニメ声優としても有名な俳優（大和田伸也さんなど）が実写版に出演しているため、関連語として出てくる。
- 「吹き替え」の意味の混同：バイオリンの音を別人が弾くことを「吹き替え演奏」と呼びますが、これを「声の吹き替え」と混同して検索されている。
ですので、古美門のバイオリンの音に関しては、声優さんの演技ではなく、あくまでプロの演奏家による「音の演技」であると理解するのが正解です。
リーガル・ハイのバイオリンは作品の象徴
こうして深掘りしてみると、古美門研介のバイオリンは、単なるコメディリリーフ（息抜き）の騒音ではないことがよく分かります。
それは、彼の「完璧な法廷戦術」と対をなす「不完全な人格」の象徴であり、彼が心の奥底で求めているかもしれない（しかし永遠に手に入らない）調和への渇望を表しているのかもしれません。
「下手くそだからこそ、愛おしい」
そんな視点で、もう一度ドラマを見返してみてください。あの耳をつんざく不協和音の中に、古美門研介という人間の孤独と愛嬌、そしてドラマ制作陣の深い愛情を感じ取ることができるはずです。
※本記事で紹介した楽器の価格推定や指導者に関する情報は、放送当時のメディア情報、クレジット、および一般的な楽器市場の相場に基づく推測を含みます。公式の確定情報ではない点をご了承ください。
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