こんにちは、nanaです。
2025年に放送され、多くの感動を呼んだ朝ドラ『あんぱん』。放送終了から時間が経った今でも、名シーンの数々が心に残っていますよね。
中でも、ひときわ異彩を放っていたのが、「ガード下の女王」こと薪鉄子(まき・てつこ)でした。演じた戸田恵子さんの圧倒的な存在感もあり、「あのキャラクターのモデルは誰だったんだろう?」「かっこいい呼び名の元ネタは何?」と、改めて検索してここに来てくださった方も多いのではないでしょうか。

実は彼女、たった一人のモデルをそのまま描いたわけではありませんでした。歴史的な背景を持つ実在の政治家、伝説の女性活動家、そして私たちが愛するあのアニメキャラクターなど、複数の要素が複雑に絡み合った、とても奥深い「ハイブリッドなキャラクター」だったのです。
🍊 高知の風を感じる「土佐和紙」のレターセット
ドラマの舞台・高知といえば、清流仁淀川の水で育まれた伝統工芸「土佐和紙」が有名です。デジタルな時代だからこそ、ヒロイン・のぶちゃんのように自分の言葉を手書きで伝えたくなりますよね。素朴で温かみのある和紙の質感は、大切な人への手紙にぴったりです。
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朝ドラあんぱんのガード下の女王モデルを徹底解説
物語の中盤、上京したヒロイン・のぶを導くメンター(指導者)として登場する薪鉄子。彼女のキャラクター造形には、史実の人物からアニメのキャラクターまで、制作陣のこだわりと「遊び心」、そして深いリスペクトがこれでもかと詰め込まれています。ここでは、彼女を構成する3つの重要なモデル要素について深掘りしていきます。
薪鉄子の実在モデルは佐竹晴記

まず一番気になる「誰が職業的なモデルなのか」という点ですが、これについては明確な答えがあります。薪鉄子の経歴やのぶ(小松暢)との関係における直接的なモデルは、高知県出身の政治家である佐竹晴記(さたけ・はるき)さんです。
「えっ、男性?」と驚く方もいるかもしれません。私も最初は「女性代議士がモデルじゃないの?」とびっくりしました。でも、ここがドラマ『あんぱん』ならではの大胆かつ巧みなアレンジなんです。史実において、ヒロインのモデルである小松暢(のぶ)さんは、高知新聞社を退職した後に上京し、この佐竹晴記氏の秘書として働いていました。
モデル:佐竹晴記(さたけ・はるき)とは?
明治29年(1896年)、高知県高岡郡窪川村(現在の四万十町)生まれ。苦学して中央大学を卒業し弁護士となりました。その後、政治家へ転身し、高知市議、県議を経て衆議院議員に当選。
弁護士時代から小作争議や労働問題など、社会的弱者の救済に尽力した「人権派」の政治家として知られています。戦後は日本社会党の結成に参加し、片山内閣では司法政務次官を務めるなど、革新系の政治家として活躍しました。
なぜ性別を「女性」に変更したのか?
では、なぜ史実では男性である佐竹氏を、あえて「女性代議士・薪鉄子」に変更したのでしょうか。私はこれ、ドラマのテーマである「女性の自立」をより強く視聴者に印象づけるための構成だと考えています。
『あんぱん』は、戦後の新しい時代を切り拓いていく女性・のぶの物語でもあります。彼女が東京という新天地で戦うとき、その前に立ちはだかる壁もあれば、手を引いてくれる先導者も必要です。
そのロールモデルとして、男性政治家ではなく、同じ女性として男性社会で戦い抜いてきた「先輩」を配置することで、エンパワーメントのメッセージをより鮮明にする狙いがあったのではないでしょうか。
性別こそ違いますが、「困っている人を放っておけない」という性格や、政治家として常に弱者の視点に立ち、不正や貧困と戦う姿勢は、史実の佐竹晴記氏からしっかりと受け継がれています。ドラマの中で鉄子が貧しい人々のために奔走する姿は、まさに佐竹氏が生涯をかけて行った活動そのものなのです。
精神的モデルは楠瀬喜多

鉄子姉さんの口癖といえば、ドスの利いた声で放つ「なめたらいかんぜよ!」という啖呵。そして、男性ばかりの政治の世界でも一歩も引かない強烈なリーダーシップですよね。この「ハチキン(男勝りな土佐女性)」としての精神的な部分のモデルとなっているのが、高知の伝説的な女性、楠瀬喜多(くすのせ・きた)さんです。
「民権ばあさん」のDNA
楠瀬喜多は、「民権ばあさん」という愛称で親しまれた幕末から大正期の実在の人物です。彼女の功績で最も有名なのが、明治11年(1878年)の「納税拒否」のエピソードでしょう。
当時、夫と死別して戸主となっていた彼女は、「戸主として納税の義務を果たしているのに、女性だからという理由だけで選挙権がないのはおかしい」と主張。「権利なければ義務なし」と訴え、高知県に対して納税を拒否したのです。
この行動は当時の新聞でも大きく取り上げられ、結果として高知の一部地域で(一時的ですが)日本初の女性参政権が認められるきっかけを作りました。彼女のこの行動力と、「おかしいことはおかしい」と権力に噛み付く精神は、まさにドラマの薪鉄子そのもの。
ドラマの時代設定は昭和なので、楠瀬喜多が生きた時代とは異なりますが、鉄子がドラマ内で熱く語る「権利と義務」の話や、弱い立場の人々のために声を上げる正義への渇望は、間違いなくこの「はちきん」精神のルーツを感じさせます。鉄子は、佐竹晴記という「器」に、楠瀬喜多という「魂」を宿らせたキャラクターと言えるかもしれません。
🍞 パンのような温かさを灯す「パンプシェード」
本物のパンから作られたインテリアライト「パンプシェード」をご存知ですか?パンの形をそのまま活かしたユニークなデザインは、やなせたかし先生のパンへの愛と、鉄子姉さんの温かい人柄を重ねて、お部屋に飾ってみたくなります。夜のリラックスタイムに、優しい光が心を包んでくれそうです。
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てっかのマキちゃんと名前の由来

ここ、個人的に一番グッとくるポイントであり、制作陣の「愛」を感じる部分なんですが、役名の「薪鉄子(まき・てつこ)」というネーミングについてです。これ、どう考えてもやなせたかし先生の代表作『それいけ!アンパンマン』に登場するあの人気キャラクターへのオマージュですよね。
モデルは「てっかのマキちゃん」
- 名前の類似:「薪(まき)」+「鉄(てっか)」=「てっかのマキちゃん」と読める仕掛け。
- ビジュアル:てっかのマキちゃん同様、赤いスカーフやキリッとした服装が特徴的。
- 性格の共通点:姉御肌で、曲がったことが大嫌い。強い口調で「おあいにくさま!」と啖呵を切るけれど、実は仲間思いで情に厚い。
「てっかのマキちゃん」は、鉄火巻きをモチーフにした正義の味方です。彼女の特徴である「男勝りで頼りになるお姉さん」というキャラクター性が、そのままドラマの鉄子の性格に反映されています。
また、ドラマ内での鉄子の立ち振る舞いを見ていると、時折見せる優しさや、お腹を空かせた人に食事を提供する姿が、アンパンマンワールドの住人そのものなんですよね。この「名前遊び」に気づいたとき、思わず「なるほど!」と膝を打ってしまいました。
戸田恵子とアンパンマンの絆

そして、この薪鉄子という重要な役を演じているのが戸田恵子さんであること。これが本作最大のエモいポイントであり、キャスティングの妙です!
ご存知の通り、戸田恵子さんはアニメ『それいけ!アンパンマン』で、放送開始から30年以上にわたり主人公・アンパンマンの声優を務めている、まさに「アンパンマンの魂」を持つ方です。
そんな彼女が、原作者であるやなせたかし先生(ドラマでは柳井嵩)の物語で、アンパンマンの精神(弱きを助ける心・自己犠牲の精神)を体現する役を演じるなんて、これ以上のキャスティングはありません。
画面越しに伝わる「やなせイズム」
戸田さん自身もインタビューなどで、やなせ先生への深い敬愛と、この役にかける特別な想いを語っていらっしゃいます。ドラマの中で、鉄子が食あたりで倒れた嵩やのぶたちにおでんを振る舞うシーンがありましたが、あそこはもう、私の目には「アンパンマンが自分の顔をちぎって分けてくれているシーン」の実写版に見えて、涙なしには見られませんでした。
鉄子が発する言葉の一つひとつに説得力があるのは、戸田恵子さんが長年培ってきた「正義の味方」としての響きが重なっているからでしょう。彼女が演じることで、鉄子は単なるドラマの登場人物を超え、やなせ先生のメッセージを伝える「語り部」のような存在になっている気がします。
ヒロイン小松暢と薪鉄子の関係
物語において、鉄子はヒロイン・のぶを東京へと導き、彼女の人生を大きく変えるメンター(指導者)としての役割を果たします。では、なぜ高知の新聞記者だったのぶが、東京の代議士の秘書になれたのでしょうか。それは単なる縁故ではなく、のぶが持っていた「中根式速記」という特殊スキルが決定打でした。

【中根式速記とは?】
当時、ICレコーダーなどは存在しません。取材や議会の内容を記録するためには、発言を瞬時に文字化する「速記」が必須の高度専門スキルでした。
中根式は、文字の形が幾何学的で書きやすく、関西を中心に普及していた方式です。ドラマでも日本速記協会の監修のもと、のぶが実際にこの記法を使ってメモを取るシーンが描かれています。
鉄子(モデルの佐竹晴記)は、のぶが持つこの卓越した技術と、男性記者にも負けずに現場を走り回るジャーナリズム精神に惚れ込んでスカウトしたわけです。鉄子はのぶの中に、かつての自分と同じ「戦う女性」の姿を見たのかもしれません。
この出会いがなければ、のぶは上京せず、当然、柳井嵩(やなせたかし)との東京での生活も始まらなかったはずです。鉄子は、二人の運命を繋ぎ、後の『アンパンマン』誕生へと続く道を切り拓いた、最重要人物の一人と言えるでしょう。
📷 レトロな雰囲気を楽しむ「アデリアレトロ」のグラス
昭和の懐かしい空気が漂うドラマの世界観には、レトロなデザインの雑貨がよく似合います。昭和当時に使われていた花柄などを復刻した「アデリアレトロ」のグラスなら、お家でクリームソーダや麦茶を飲むだけで、鉄子さんがいそうな純喫茶にいる気分に浸れますよ。
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朝ドラあんぱんのガード下の女王モデルと元ネタ

「ガード下の女王」。この響き、とてもかっこよくて強さを感じますが、同時にどこか少し影のある、哀愁漂う雰囲気も感じませんか?実はこの異名には、戦後日本の過酷な現実を映し出す、もう一つの悲しい「元ネタ」が存在します。
元ネタはラクチョウのお時
「ガード下の女王」という呼び名の直接的な元ネタと考えられるのが、戦後の有楽町界隈で実在した伝説の街娼リーダー、通称「ラクチョウのお時(おとき)」です。
彼女は戦災で家や家族を失い、生きるために有楽町(通称ラクチョウ)の日劇地下などをねぐらにして街に立った女性(パンパンガール)たちを束ねていた人物だと伝えられています。
「お時」は、数百人とも言われる女性たちをヒモ(搾取する男性)や暴力団、時には理不尽な警察の取り締まりから守り、病気になった仲間を入院させたり差し入れをしたりと、相互扶助の組織を作り上げていました。
自分自身も傷つきながら、それでも仲間を守ろうと体を張るその姿から、彼女はいつしか「女王」や「姐御」として、ガード下の女性たちから慕われるようになったのです。
有楽町ガード下の歴史的背景
当時の有楽町ガード下は、現在のおしゃれな街並みからは想像もつかないほど、混沌とした場所でした。空襲で焼け出された人々、復員兵、戦災孤児、そして進駐軍(GHQ)相手の女性たちが集まる、まさに「日本の戦後の闇」が凝縮されたようなエリアだったのです。
GHQの拠点である第一生命ビル(現在も残っていますね)が近かったこともあり、有楽町から日劇周辺は「東京におけるパンパンガールの発祥地」とも言われていました。昼なお暗いガード下は、社会の表舞台から弾き出された人々にとって、雨風をしのぎ、身を寄せ合うための「最後の避難所(サンクチュアリ)」のような側面を持っていたのです。
ドラマで鉄子が事務所を構えているのが、きらびやかなビルではなく「ガード下」であること。これは、彼女が権力側ではなく、常にこうした「社会の陰に追いやられた人々」の側に立っていることを象徴する重要な舞台設定だと言えます。
街頭録音と社会への告発
「ラクチョウのお時」の名を一躍有名にし、彼女を伝説にしたのは、1947年(昭和22年)に放送されたNHKのラジオ番組『街頭録音』への出演でした。
『街頭録音』は、街ゆく人々の生の声を録音して放送する画期的な番組でしたが、その中で「ガード下の娘たち」というテーマが取り上げられました。そこでマイクを向けられたお時は、決して卑屈になることなく、理路整然と社会の矛盾を訴えたのです。
「好きでこんな商売をしているわけではない」「中流家庭の子も多い」「更生しようとしても、世間が冷たい目で見るから戻ってきてしまう」……。彼女のこの悲痛な叫びは、当時の聴取者に大きな衝撃を与えました。それは、戦後復興の陰で見捨てられていた女性たちの現実を、社会に突きつける勇気ある告発だったのです。
戦後の救済と鉄子の役割

ドラマ『あんぱん』の素晴らしいところは、この悲劇的な「お時」のエピソードを、希望の物語として再構築(リビルド)している点だと思います。
史実のお時は、ラジオ出演の後、顔が知れ渡ったことで居場所を失ったり、仲間内での制裁を受けたりして、悲しい結末を辿ったという説もあります。しかしドラマの薪鉄子は、「ガード下の女性たちを守るリーダー」というお時の属性を継承しつつ、それを「国会議員」という、法と政治の力で彼女たちを救える立場へと昇華させています。
鉄子がガード下の雑居部屋で、行き場のない女性たちを匿い、暴力的な男たちから彼女らを守るシーン。あれはまさに、お時がやりたくても十分にはできなかった「救済」を、ドラマの中で実現させようとしているのではないでしょうか。これは、史実では救いきれなかったかもしれない女性たちの悲しみを、物語と正義の力によって救済しようという、制作陣の温かいメッセージだと私は感じています。
注意点
ドラマはあくまでフィクションであり、史実の出来事や人物像とは異なる脚色が多数含まれています。エンターテインメントとして楽しみつつ、その背景にある「実際の歴史」や、当時を生きた人々の苦労にも思いを馳せてみてください。
✒️ 書く時間を特別にする「パーカー」のボールペン
記者として、秘書として、ペン一本で世の中と渡り合ったのぶちゃん。そんな彼女のように、書くことを大切にしたいなら、長く使える上質なペンを持つのも素敵です。英国王室御用達の「パーカー」のボールペンなら、手帳に予定を書き込む時間も、凛とした特別なものになりそうです。
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朝ドラあんぱんのガード下の女王モデルまとめ

最後に、これまで解説してきた朝ドラ『あんぱん』のガード下の女王・薪鉄子に関するモデル情報をわかりやすく整理してみましょう。
| キャラクター | 薪鉄子(演:戸田恵子) |
|---|---|
| 職業的モデル | 佐竹晴記 (実在の男性政治家・小松暢の実際の雇用主) |
| 精神的モデル | 楠瀬喜多 (民権ばあさん・ハチキン精神の象徴) |
| 名前の由来 | てっかのマキちゃん (アンパンマンのキャラクター) |
| 異名の元ネタ | ラクチョウのお時 (実在した有楽町ガード下の街娼リーダー) |
こうして見ると、薪鉄子というキャラクターは、「佐竹晴記の政治的立場で、ラクチョウのお時のように弱者を守り、楠瀬喜多の魂を持って戦う、実写版てっかのマキちゃん」という、とてつもなく贅沢で想いの詰まったハイブリッドキャラクターだということがわかります。
この深い背景を知ってから、もう一度アーカイブや総集編でドラマを見返すと、鉄子の一言一句、そして戸田恵子さんの演技が、これまで以上に深く心に響いてきそうですね。
🧺 暮らしを彩る「バスケット・かご収納」
高知の日曜市で見かけるような、自然素材を使った素朴で温かみのあるカゴ雑貨。お部屋に置くだけで、なんとなく懐かしく優しい気持ちになれます。ドラマを見終わった後、こんなカゴにお気に入りの小物を収納して、余韻に浸ってみるのもいいかもしれません。
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