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First Love 初恋の食事|ナポリタンがつなぐ記憶とロケ地

First Love 初恋の食事|ナポリタンがつなぐ記憶とロケ地 FirstLove‐初恋‐

こんにちは、nanaです。

Netflixシリーズ『First Love 初恋』を見終えたあと、不思議と食べたくなるものがあります。それが、ナポリタンです。でも、この作品のナポリタンは、ただ「おいしそうな劇中グルメ」として登場するわけではありません。

若い頃の也英と晴道が過ごした時間と、大人になった也英が抱えている時間。同じ料理が離れてしまった二人の記憶をつなぎ、見る側にまで「昔のあの場面」を思い出させます。何でもなかったはずの一皿が、物語が進むほど特別なものに変わっていくんですよね。

以前のこの記事では、ナポリタンの再現レシピや北海道グルメ、レストラン情報まで話を大きく広げていました。ただ、改めて作品を見直すと、『First Love 初恋』の食事で本当に面白いのは料理の種類ではなく、「同じ味が、離れた時間の記憶を連れてくる」という使われ方でした。

この記事ではナポリタンを中心に、食事が也英と晴道の物語でどんな役割を持っているのかを読み解きます。あわせて、西洋軒や旭川のラーメン店など実際に撮影された場所についても、劇中の設定と現実の店舗を混同しないように整理していきます。

※この記事には『First Love 初恋』第8話までの内容に触れる部分があります。

この記事のポイント
  • 『First Love 初恋』でナポリタンが印象に残る理由
  • 第3話と第8話で同じ料理の意味が変わる理由
  • ナポリタンと記憶をつなぐ「プルースト効果」
  • 西洋軒のロケ地情報と実際の店舗
  • 蜂屋 本店のラーメン場面について
  • ドラマ公式のナポリタンレシピがあるのか

『First Love 初恋』の食事で一番印象に残るナポリタン

この作品で食を語るなら、まずナポリタンから始めるのが自然でしょう。Netflixでも第3話のタイトルそのものが「ナポリタン」になっており、料理が単なる背景ではなく、物語の中で意味を持つことが早い段階から示されています。

高校時代、晴道が好きな食べ物としてナポリタンを挙げていたこと。その何気ない記憶は、二人の人生が大きく変わったあとも消えずに残っています。『First Love 初恋』は過去と現在を行き来する作品だからこそ、一皿の料理も「昔食べたもの」で終わらず、二つの時間を行き来する入口のように見えてくるんですよね。

第3話のナポリタンは「一緒にいられる時間」の味

第3話でナポリタンが結びついているのは、まだ若い也英と晴道の時間です。未来に何が待っているのかを知らず、好きな人の好きなものを知り、その人と同じ時間を過ごせること自体がうれしい。そんな恋の始まりに近い空気があります。

しかもナポリタンは、特別な記念日にしか食べられない高級料理ではありません。喫茶店や家庭を思わせる身近な料理だからこそ、二人の距離が近く感じられます。後から思い返せば宝物のような時間でも、その瞬間には「普通の日」だったのでしょう。

第8話では「失われた時間」の味へ変わっていく

物語が進み、大人になった也英の前に再びナポリタンが現れると、見る側の受け取り方は大きく変わります。皿の上にある料理は同じでも、私たちはすでに高校時代の二人を知っているからです。

若い頃には「一緒にいる時間」の中にあったナポリタンが、大人になってからは「もう戻れない時間」まで思い起こさせるものになる。料理そのものが変わったのではなく、その一皿を見る私たちの中に積み重なった物語が変わったんですよね。

『First Love 初恋』のナポリタンを、第3話の「共にいる時間の味」と第8話の「失われた時間の味」として比較したスライド

ここがポイント
『First Love 初恋』のナポリタンは、最初から悲しい料理だったわけではありません。幸せだった普通の時間を先に見せているからこそ、大人になって同じ料理が現れたとき、そこに失われた年月まで重なって見えるのです。

第8話「或る午後のプルースト効果」とナポリタン

食べ物と記憶のつながりを考えるうえで見逃せないのが、第8話のタイトル「或る午後のプルースト効果」です。プルースト効果とは、味や香りなどの感覚をきっかけに、それまで意識していなかった過去の記憶や感情が呼び起こされる現象を指します。

也英の物語では、過去の記憶が最初からきれいに整理されているわけではありません。それでも人間は、頭で思い出そうとしなくても、昔聞いた曲や懐かしい匂い、以前食べた味に触れた瞬間、言葉より先に何かを感じることがあります。『First Love 初恋』は、そうした感覚と記憶の近さを丁寧に使っています。

「思い出す」より先に「感じてしまう」

ナポリタンが面白いのは、料理そのものが過去を説明してくれるわけではないところです。「この料理にはこういう意味があります」と誰かが語らなくても、画面に一皿が映っただけで、視聴者の中には高校時代の二人がよみがえります。

つまり私たちも、也英と同じように感覚から記憶へ戻されているんですよね。物語を一度知ったあとでは、ナポリタンを見るだけで、笑っていた二人や離れていた年月まで一緒に思い出してしまう。そこまで含めて、この料理が作品の中で機能しているように感じます。

『First Love 初恋』第8話の「或る午後のプルースト効果」を、ナポリタンの味覚が言葉にできない記憶を連れてくるものとして表したスライド

西洋軒は実在したロケ地|ドラマの設定と現実は分けて考える

大人になった也英が訪れる洋食店のロケ地として使われたのが、北海道千歳市にあった「西洋軒」です。ここは『First Love 初恋』のロケ地として実在した店舗ですが、劇中の設定と現実の店については分けておく必要があります。

まず、大人の也英は西洋軒で働いているわけではありません。彼女の仕事はタクシードライバーで、西洋軒は也英が訪れる洋食店として登場します。また、劇中ではナポリタンが重要な料理として描かれていますが、実際の西洋軒でナポリタンが通常メニューとして提供されていたわけではありません。

ロケ地に行けば劇中ナポリタンが食べられたわけではない

ドラマのロケ地紹介では、「作品に登場した料理」と「実際の店の名物料理」がいつの間にか同じものとして扱われてしまうことがあります。でも西洋軒の場合、店そのものは実在していても、ナポリタンは劇中のために用意された料理でした。

さらに西洋軒は2023年7月に営業を終了しています。そのため現在は、劇中に映った場所を訪れて食事をすることもできません。『First Love 初恋』の聖地として大切な場所であることと、現在利用できる飲食店であることは別なんですよね。

『First Love 初恋』の西洋軒について、ドラマでは大人の也英が訪れる大切な場所である一方、実際の店舗は2023年に営業を終了し、ナポリタンも通常メニューではなかったことを整理したスライド

なぜ『First Love 初恋』の料理はこんなに印象に残るのか

『First Love 初恋』の食事場面には、料理を作品のおしゃれな装飾として見せるだけではない温度があります。登場人物が本当にその場で食事をしているように見え、食べ方や表情まで含めて一つの場面になっています。

制作ではフードスタイリストが参加し、料理の見た目だけでなく「実際においしいこと」も大切にしていたことが語られています。俳優が本当においしいと感じながら食べれば、その反応は手元や表情にも自然に表れます。食事が背景ではなく演技の一部として存在するからこそ、ナポリタンの場面も見る側の記憶に残りやすかったのでしょう。

食べている時間そのものが物語になる

食事の場面は、セリフが少なくても人物の状態を伝えられます。同じ料理でも、好きな人と笑いながら食べるのか、一人で過去を抱えながら食べるのかで、画面から受け取るものはまったく違います。

『First Love 初恋』では、料理が置かれているだけではなく、誰が、誰と、どんな気持ちで口にしているのかまで含めて描かれています。だからこそ、食事が物語の背景にあるのではなく、食べている時間そのものが物語になるんですよね。

旭川の「蜂屋 本店」は也英と晴道の思い出の店ではない

以前の記事では、旭川の「ラーメンの蜂屋 本店」を高校時代の也英と晴道の思い出の店として紹介していましたが、ここは修正が必要です。蜂屋 本店で描かれるのは、大人になった晴道と恒美がラーメンを食べる時間です。

そのため、ナポリタンのような「也英と晴道の初恋の味」として扱うのは正確ではありません。ただ、だからといって作品の食事として意味がないわけではなく、むしろ晴道の現在を考えるうえでは興味深い場面です。

蜂屋のラーメンが映すのは晴道が生きている「現在」

晴道の人生には、也英との過去だけがあるわけではありません。大人になった彼には仕事があり、恒美との関係があり、也英と離れていた時間にも別の生活が続いていました。

ナポリタンが也英と晴道を過去から現在へつなぐ料理だとすれば、蜂屋のラーメンは、晴道が「過去だけに生きていたわけではない」ことを感じさせる食事として見ることができます。作品の食べ物を何でも初恋の象徴にしてしまわず、それぞれの人物が生きた時間の違いを見る方が、この物語には合っていると思います。

『First Love 初恋』の蜂屋のラーメンを、也英との過去ではなく恒美と過ごす晴道の現在を映す食事として読み解いたスライド

First Love 初恋の食事と北海道のロケ地

『First Love 初恋』では、北海道そのものが也英と晴道の記憶と強く結びついています。札幌を中心に旭川、小樽、千歳、長沼町などさまざまな場所で撮影され、ロケ地は単なる背景ではなく、二人が生きてきた時間を感じさせる風景として使われています。

食事の場面もその中にあります。千歳の西洋軒、旭川の蜂屋 本店といった実在の場所が、劇中人物の人生の一場面として組み込まれることで、「本当にこの人たちが北海道のどこかで暮らしていたのでは」と感じさせる現実味が生まれています。

ロケ地作品との関係
西洋軒(千歳市)大人の也英が訪れる洋食店のロケ地
ラーメンの蜂屋 本店(旭川市)晴道と恒美が訪れるラーメン店
天狗山ロープウェイ(小樽市)也英と晴道の高校時代の思い出につながる場所
ハイジ牧場(長沼町)ライラックにまつわる場面のロケ地

食事だけを追うのではなく、その前後に映る北海道の景色まで一緒に見ると、この作品が「場所」にも記憶を持たせていることが分かります。タイムカプセルやライラックについては、『First Love 初恋』タイムカプセルが二人の運命をつなぐ理由で詳しく読み解いています。

First Love 初恋のナポリタンに公式レシピはある?

ドラマを見て「あのナポリタンを作ってみたい」と思った方も多いでしょう。以前の記事では材料や分量を決めた再現レシピを掲載していましたが、今回確認した範囲では、一般向けに材料や分量まで示したNetflix公式のナポリタンレシピは確認できませんでした。

そのため、家庭で作ったナポリタンを「劇中と同じ味」と断定することはしません。自宅で作品を思い出しながらナポリタンを作る楽しみ方と、撮影で実際に使われた料理の再現とは、分けて考える方が正確です。

劇中の料理を担当した人は確認できる

一般向けの公式レシピは確認できませんが、作品のフードスタイリングに料理家のたかはしよしこさんが参加していることは確認されています。『First Love 初恋』では料理の見た目だけでなく、俳優が実際に食べたときのおいしさまで意識して作られていました。

過去には劇中の「初恋ナポリタン」を再現する企画もありましたが、過去に提供されたことと、現在いつでも同じ料理を食べられることは別です。実際に関連店舗やイベントを訪れる場合は、現在の営業状況やメニューを公式発信で確認するのが安心でしょう。

「再現すること」より、なぜナポリタンだったのかを味わいたい

自宅でナポリタンを作りながら『First Love 初恋』を見返すのは、とても楽しいと思います。でも『ドラマの余白』で大切にしたいのは、「ドラマとまったく同じ味を作ること」よりも、なぜこの作品でナポリタンが選ばれ、それがなぜこんなに心に残るのかという部分です。

ナポリタンは高価な料理でも、特別な日にしか食べられない料理でもありません。どこか懐かしく、家庭や喫茶店の記憶を呼び起こす身近な一皿です。だからこそ、若い也英と晴道が過ごした「そのときは特別だと気づいていなかった時間」とよく似合います。

人生では、何でもないと思っていた時間ほど、失ってから大切だったと気づくことがあります。若い二人が一緒に食べたナポリタンも、その瞬間には人生を決める出来事ではありませんでした。でも年月が流れたあとで同じ料理を見ると、あの時間がどれだけ大きなものだったのかを私たちは知っています。

ナポリタンそのものが初恋なのではなく、その一皿に二人で過ごした時間が染み込んでいる。私は、そこにこの作品の食事シーンの魅力があると思います。

『First Love 初恋』のナポリタンを、ただの料理ではなく也英と晴道の一皿に染み込んだ20年分の時間としてまとめたスライド

食事と音楽はどちらも「記憶を連れてくる」

『First Love 初恋』は、宇多田ヒカルさんの「First Love」と「初恋」という楽曲から着想を得て作られた作品です。音楽には、何年も忘れていた人や場所を、一瞬で現在へ連れ戻すような力があります。

味や匂いもよく似ています。昔聞いていた曲を耳にすると、その頃の景色まで浮かんでくるように、昔好きだった料理を口にすると、誰と食べたのかまで思い出すことがあります。この作品では音楽と食事の両方が、時間を飛び越えて記憶へ触れるものとして置かれているように感じます。

過去を説明するだけなら、回想を見せるだけでも十分です。でも『First Love 初恋』は、音、味、匂い、場所といった感覚を使いながら、離れていた時間を少しずつ現在につなぎ直していきます。だからこそ物語を見終えたあとも、曲やナポリタンをきっかけに、私たち自身まで作品へ戻されてしまうのでしょうね。

First Love 初恋の食事・ロケ地に関するFAQ

西洋軒で現在ナポリタンを食べられる?

現在は食べることができません。西洋軒は2023年7月に営業を終了しています。また、営業していた当時も劇中のナポリタンが通常メニューとして提供されていたわけではありません。

也英は西洋軒で働いていたの?

いいえ。大人の也英はタクシードライバーです。西洋軒は也英が訪れる洋食店として登場するロケ地です。

蜂屋 本店は也英と晴道の思い出のラーメン店?

蜂屋 本店は、晴道と恒美が訪れる場面の撮影地として紹介されています。そのため、高校時代の也英と晴道の思い出の店として扱うのは正確ではありません。

ドラマ公式のナポリタンレシピはある?

今回確認した範囲では、一般向けに材料や分量を示したNetflix公式レシピは確認できませんでした。劇中料理のフードスタイリングには、料理家のたかはしよしこさんが参加しています。

「初恋ナポリタン」を実際に食べられる場所はある?

劇中料理を担当したたかはしよしこさんによる「初恋ナポリタン」が過去の企画などで提供された実績はあります。ただし常設メニューとは限らないため、訪れる場合は現在の公式情報を確認してください。

まとめ|ナポリタンがつないだのは味ではなく二人の時間

『First Love 初恋』の食事を改めて見ていくと、たくさんの北海道グルメを紹介するより、一皿のナポリタンを追いかける方が作品の中心へ近づけるように感じます。

  • 第3話ではナポリタンが若い也英と晴道の時間と結びつく
  • 第8話では同じ料理が失われた年月を感じさせる
  • 味や匂いから記憶がよみがえる「プルースト効果」とも重なる
  • 西洋軒は実在したロケ地だが、ナポリタンは通常メニューではなかった
  • 蜂屋 本店は晴道と恒美の場面に使われている
  • 劇中料理にはフードスタイリストが参加している

也英と晴道の人生には長い空白があります。それだけの時間が流れれば、仕事も暮らしも人間関係も変わっていきます。それでも、音楽や場所や食べ物に触れた瞬間、過去は思っていたより近いところに残っていたと気づくことがあります。

第3話では好きな人と一緒にいる時間の中にあったナポリタンが、第8話では過ぎ去った年月まで感じさせる一皿になる。同じ料理なのに受け取る意味が変わるのは、料理が変わったからではなく、そこまでに私たちが也英と晴道の人生を知ったからなのでしょう。

『First Love 初恋』にとってナポリタンは、恋を象徴する特別な料理というより、何でもなかったはずの時間が、あとからかけがえのない記憶へ変わることを見せる一皿だった。

私はそう考えると、ドラマを見終えたあとにナポリタンが食べたくなる理由も、少し分かるような気がします。

参考にした公式・一次情報
作品設定や各エピソードについてはNetflix公式『First Love 初恋』を確認しています。北海道の撮影地については、札幌フィルムコミッションなどが公開している『First Love 初恋』のロケ地情報を確認しています。また、劇中料理については作品制作に関するインタビューなどから、フードスタイリングの制作背景を確認しています。

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