こんにちは、nanaです。
長澤まさみさん演じるダー子、東出昌大さん演じるボクちゃん、そして小日向文世さん演じるリチャード。この3人の信用詐欺師(コンフィデンスマン)たちが、欲望にまみれた悪徳富豪たちから大金を騙し取る痛快エンターテインメント『コンフィデンスマンJP』。映画化やスペシャルドラマ化もされ、長く愛される作品となりましたね。
でも、シリーズを追いかけているファンの方なら一度はこう思ったことがあるはずです。
「あれ?この話、時系列がおかしくない?」
「ボクちゃんが『足を洗う』って言ってる回数が減ってる?」
「五十嵐と初対面のはずなのに、別の回ではすでに仲良しだったような…」

そうなんです。実はこの作品、テレビドラマ版の放送順と、物語の中の「本当の時間軸」がバラバラにシャッフルされているという、とんでもない仕掛けが施されているんです。これに気づいた時、私は思わずノートを取り出して全話見返してしまいました。
今回は、そんな『コンフィデンスマンJP』の複雑怪奇な「時系列のパズル」を、作中の証拠を元に徹底的に解き明かしていきます。映画を見る順番や、ファンの間で囁かれる「エピソード0」の謎、そしてどうしても説明がつかない矛盾点まで。これを読めば、ダー子たちの世界がもっと深く楽しめるようになりますよ。
🐈 「子猫ちゃん」にちなんで運気アップ?
ダー子たちが協力者のことを「子猫ちゃん」と呼ぶのにちなんで、お部屋に可愛い猫のインテリアはいかがですか?見ているだけで運気が上がりそうな招き猫なら、思わぬ大金が舞い込んでくるかも!?
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この作品の最大のトリックは、詐欺のテクニックだけでなく「時間軸」そのものにも仕掛けられている点です。それでは、まずは迷わずに楽しむための「見る順番」と、ファンなら知っておきたい「本当の時系列」について整理してみましょう。
コンフィデンスマンJPを見る順番の正解
これから『コンフィデンスマンJP』の世界に飛び込もうとしている方、あるいは久しぶりに見返そうと思っている方。結論から申し上げますと、「公開・放送された順番通り」に見るのが間違いなく一番のおすすめです。
なぜ「公開順」がベストなのか?
「時系列がバラバラなら、本当の順番で見たほうがわかりやすいんじゃないの?」と思われるかもしれません。確かに理屈ではそうなのですが、この作品に関しては、脚本家の古沢良太さんや制作チームが「あえて時系列を狂わせることで生まれる面白さ」を計算して作っている節があります。
例えば、ドラマ版の後半で登場する小ネタが、実は前半のエピソード(時系列的には未来の話)の伏線になっていたりします。また、映画版やスペシャルドラマは、基本的にテレビドラマ版を視聴していることを前提にキャラクターの説明が省かれています。
特に映画シリーズは、テレビシリーズで積み上げてきた「お約束」をあえて裏切ったり、逆に最大限利用したりする展開が多いため、いきなり映画から入るとそのカタルシスが半減してしまうのです。まずは製作者が提示した「表のルート」で作品のジェットコースターのような展開を楽しんでください。

失敗しない視聴順序リスト
具体的には、以下の順序で視聴を進めるのが王道のルートです。

| 順番 | 作品区分 | タイトル | 公開・放送時期 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | TVドラマ | コンフィデンスマンJP(全10話) | 2018年4月期 | すべての基本。ここを見ないと始まらない! |
| 2 | SPドラマ | コンフィデンスマンIG | 2019年5月 | 映画公開直前の深夜ドラマ。五十嵐が主役? |
| 3 | 映画第1作 | ロマンス編 | 2019年5月 | 香港が舞台。ジェシー(三浦春馬)登場。 |
| 4 | SPドラマ | 運勢編 | 2019年5月 | 映画の翌日に放送。時系列は映画の直後。 |
| 5 | 映画第2作 | プリンセス編 | 2020年7月 | マレーシアが舞台。コックリ(関水渚)加入。 |
| 6 | 映画第3作 | 英雄編 | 2022年1月 | マルタ島が舞台。シリーズの集大成。 |
この順番で一周した後に、これから解説する「真の時系列」を知った上でもう一度見返すと、「あ!このセリフはそういう意味だったのか!」というアハ体験が待っています。二度美味しい、それがコンフィデンスマンJPの魅力なんですよね。
なお、作品の正確な公開日やキャスト情報については、制作会社の公式情報もあわせてご確認ください。
(出典:フジテレビ『コンフィデンスマンJP』公式サイト)
ドラマ版コンフィデンスマンJPの時系列
さて、ここからが本題です。テレビドラマ版の全10話は、放送された順番(第1話〜第10話)と、物語の中の時間経過が一致していません。これは単なる設定ミスではなく、意図的な演出です。

私が全話を分析し、セリフや小道具、季節の描写から再構築した「本当の時系列」は以下のようになります。
【ドラマ版の真の時系列】
- 第10話「コンフィデンスマン編」
(放送上の最終回ですが、実は一番過去の話。チーム結成の秘密?) - 第1話「ゴッドファーザー編」
(記念すべき第1話は、時系列では2番目。赤星栄介との因縁の始まり) - 第2話「リゾート王編」
(ここで五十嵐とボクちゃんが初対面。チームとしての動きが本格化) - 第6話「古代遺跡編」
(第2話でダー子が読んでいた雑誌に縄文特集があり、ここへ繋がる) - 第7話「家族編」
(花火大会のシーンがあり、季節は夏。過去のターゲット企業が協賛一覧に) - その他のエピソード(第3,4,5,8話)
(これらは第2話以降のどこかに入りますが、明確な順序は不明) - 第9話「スポーツ編」
(これだけは異質。時系列の特異点として後述します)

驚きなのが、「最終回(第10話)が実はエピソード0(プロローグ)だった」という事実です。普通、ドラマの最終回といえば全ての伏線を回収して大団円を迎えるものですが、この作品では最終回を見ることでようやく「第1話のオープニング」に繋がるという、メビウスの輪のような構造になっているんです。
なぜそう言い切れるのか?その最大の根拠となる「ボクちゃんのセリフ」については、後の章で詳しく解説しますね。
💍 旅先でも変装は完璧に?
映画『ロマンス編』の舞台は香港。ダー子のように様々な衣装や変装を楽しむなら、アクセサリーを持ち運べるトラベルジュエリーケースが便利です。旅先でもおしゃれを忘れずに。
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映画やSPドラマを含めた時系列の全貌
ドラマ版の後の物語として、映画シリーズとスペシャルドラマが続きます。これらは基本的に公開順と時系列が一致していますが、細かい繋がりを見ていくと、より深く物語を理解できます。
特に映画版は「赤星栄介の復讐の歴史」でもあります。ドラマ第1話でダー子たちに煮え湯を飲まされた赤星が、どのように執着を深めていったのか。その流れは以下のようになります。
赤星栄介の復讐ロード
シリーズの影の主役とも言える、江口洋介さん演じる赤星栄介。彼の動きを追うことで、時系列がより明確になります。
- 2018年春(ドラマ第1話): ダー子たちに20億円を騙し取られ、国外逃亡を図るも失敗。田舎に不時着するという屈辱を味わいます。
- 2019年(ロマンス編): 香港で再起を図っていたところ、再びダー子たちと遭遇。またしても大金を失います。
- 2020年(プリンセス編): マレーシア・ランカウイ島に登場。この頃には、金銭的な損害よりも「ダー子の正体を暴くこと」自体が目的化しており、執着心がピークに達しています。
- 2022年(英雄編): マルタ島。ここまで来ると、もはや「敵」という枠を超え、ダー子たちとの騙し合いを楽しむような奇妙な関係性が築かれています。

子猫ちゃんたちの加入履歴
ダー子のアジトに出入りする協力者、通称「子猫ちゃん」たちの顔ぶれも、時系列を判断する材料になります。
- 五十嵐: ドラマ第2話から本格合流。
- モナコ(織田梨沙): 映画『ロマンス編』でジェシーの手下として登場し、その後ダー子に弟子入り。以降の作品(運勢編など)ではアジトの常連になります。
- コックリ(関水渚): 映画『プリンセス編』で加入。しかし、物語の結末で彼女はある大きな決断をするため、それ以降の『英雄編』などには(詐欺師としては)登場しません。

このように、映画を見るたびに「ファミリー」が増えたり、それぞれの道を歩み始めたりする変化も、長く続くシリーズならではの楽しみ方ですよね。
コンフィデンスマンJPのエピソード0
先ほど「第10話が実はエピソード0」とお話ししましたが、ここをもう少し深掘りしてみましょう。
ドラマ第10話『コンフィデンスマン編』。この回は、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人が、なぜコンフィデンスマン(信用詐欺師)になったのか、その過去に触れるような描写があります。父親を騙された男が登場し、ダー子たちの正体を暴こうとするシリアスな展開です。
しかし、このドラマの鉄則は「目に見えるものが真実とは限らない」。彼らが語る過去(施設育ちだった、名前は藤沢日奈子だった、など)が本当なのか、それすらも相手を騙すための即興の嘘なのかは、最後まで明言されません。
ただ一つ確実なのは、「この物語が、第1話に直結している」という事実です。
第10話のラストシーン、全てを終えたダー子は新しいターゲットを探し始めます。そこで名前が挙がるのが、「中古車屋の社長」と「ホストクラブの社長」です。
そして、ドラマ第1話『ゴッドファーザー編』の冒頭(アバンタイトル)を見返してください。ダー子たちが騙している相手は誰でしたか?
そう、まさにその「中古車屋の社長」と「ホストクラブの社長」なんです。

第10話のエンドロールが終わったその瞬間が、第1話のオープニングに繋がる。この鮮やかすぎる構成には、脚本家の執念すら感じます。
👒 気分はランカウイ島のリゾート
『プリンセス編』の舞台、マレーシア・ランカウイ島の開放的な空気を日常に。つば広のストローハットがあれば、近所のお散歩でもリゾート気分を味わえそうですね。
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時系列の矛盾とスポーツ編の謎を解説
ここまで綺麗に時系列が整理できると気持ちいいのですが、一つだけどうしてもパズルのピースが嵌まらないエピソードがあります。それがドラマ第9話『スポーツ編』です。
この回では、ダー子たちがIT社長を騙すために、弱小プロスポーツチーム「熱海チーターズ」を買収し、強豪チームに育て上げるというストーリーが展開されます。しかし、ここで問題になるのが「時間経過」です。

スポーツチームを再建し、リーグ優勝まで導くには、現実的に考えて最低でも数年単位の時間がかかります。しかし、他のエピソード(例えば第1話や第2話)は、数週間〜数ヶ月のスパンで次々とターゲットを攻略している描写になっています。
【スポーツ編に関する考察】
この矛盾については、ファンの間でも様々な説が飛び交っています。
- 未来説: スポーツ編の後半パートだけは、シリーズ全体の数年後の出来事を描いている。
- 並行世界説: ドラマならではのファンタジーとして、時間の流れがここだけ違う。
- 長期プロジェクト説: 実は他の詐欺(第1話〜第8話)を行っている裏で、数年かけてコツコツとチーム運営を続けていた。
個人的には「長期プロジェクト説」を推したいところですが、ダー子の性格を考えると数年も同じ案件に関わるのは飽きちゃいそうですよね(笑)。この「あえて残された矛盾」もまた、視聴者を煙に巻くコンフィデンスマンらしい仕掛けなのかもしれません。
コンフィデンスマンJPの時系列を解く鍵
「なぜ第10話が最初だと言い切れるの?」「証拠はあるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。ここからは、作中に隠された決定的な「時系列特定の証拠」を具体的に解説していきます。これを知ってから見返すと、ドラマがまるでミステリーの謎解きのように見えてきますよ。
ボクちゃんが足を洗う回数の秘密
最も有名かつ決定的な証拠が、東出昌大さん演じるボクちゃんの「足を洗う(詐欺師を辞める)」宣言の回数カウントです。
ボクちゃんは根が真面目なので、事あるごとに「僕はもうこんな生活は嫌だ!まっとうに生きる!」とダー子の元を去ろうとします。ダー子にとってはこの宣言は聞き飽きたもので、毎回「はいはい、◯回目ね」と冷たくあしらうのがお約束です。
この数字を、放送順と時系列順で比較してみましょう。
| エピソード | シーン | ダー子のセリフ | 意味 |
|---|---|---|---|
| 第10話 | ラスト | 「それ言うの399回目だよ」 | これが399回目の宣言 |
| 第1話 | 冒頭 | 「400回目」 | 前回(第10話)の次 |
| 第1話 | ラスト | 「401回目」 | さらに更新 |

いかがでしょうか。放送上の最終回である第10話で「399回目」と言い、第1話の冒頭で「400回目」と言っている。つまり、数字のカウントダウンならぬカウントアップによって、第10話 → 第1話という順番が数学的に証明されているのです。
脚本の段階でここまで緻密に計算されていたと思うと、鳥肌が立ちますよね。ただのコメディシーンに見せかけて、実は物語の屋台骨を支える重要な伏線だったわけです。
第1話と最終回の繋がりを徹底考察
先ほど「ターゲットのリスト」について触れましたが、第1話と第10話の繋がりはそれだけではありません。
第10話のタイトルは『コンフィデンスマン編』。そして第1話のタイトルは『ゴッドファーザー編』。通常、作品タイトルを冠したエピソード(〜マン編)はシリーズの集大成や最終回に持ってくるのがセオリーです。
しかし、この作品では「コンフィデンスマン(信用詐欺師)」として彼らがどうあるべきか、その信念のようなものが語られる第10話をあえて最後に放送し、時系列的には「始まりの物語」として配置しました。これは、視聴者が全10話を見終わった後に、「ああ、彼らは最初からこういう信念で動いていたんだな」と、第1話からの行動原理を再確認させるための構成だと思われます。
円環構造(ループ)のように見えて、実は螺旋階段のように少しずつ関係性が深まっている。その起点と終点が、第10話と第1話の接合点にあるのです。
💰 狙うはお宝?アンティークな貯金箱
『英雄編』の舞台である地中海・マルタ島は、歴史のロマンを感じる場所。アンティーク調のコインバンク(貯金箱)にお金を貯めれば、気分はまるで宝物を狙うコンフィデンスマン?
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五十嵐の登場回から読み解く時系列
小手伸也さんが演じる神出鬼没の男、五十嵐。彼とボクちゃんの距離感も、時系列を解く大きな鍵です。
放送順で見ていると、五十嵐は最初からチームの一員として馴染んでいるように見えます。しかし、時系列順(第10話 → 第1話 → 第2話…)で見ていくと、面白いことに気づきます。
- 第10話: 五十嵐は登場しません(あるいは背景に溶け込んでいてボクちゃんと絡みがない)。
- 第1話: まだボクちゃんとの直接的な会話や、「仲間」としての認識が薄い状態です。
- 第2話: ここで決定的なシーンが訪れます。五十嵐がボクちゃんの前に姿を現し、ボクちゃんが「誰だお前?」と驚くのです。それに対しダー子が「五十嵐、うちの子猫(手下)」と紹介します。

つまり、第2話『リゾート王編』こそが、ボクちゃんと五十嵐のファーストコンタクト(初対面)なのです。これ以降のエピソード(第3話〜)では、二人は阿吽の呼吸で漫才のような掛け合いを見せるようになります。
「第2話が時系列的に初期である」という事実は、この五十嵐の紹介シーンによって確定します。逆に言えば、五十嵐が当たり前のようにアジトでくつろいでいる回は、すべて第2話よりも後の出来事ということになりますね。
赤星栄介の因縁でわかる時系列の流れ
最後に、もう一度赤星栄介氏にご登場いただきましょう。
彼は第1話でダー子たちに20億円を騙し取られますが、その際、国外逃亡しようとして飛行機に乗るも、ダー子たちの仕掛けによって日本の片田舎(作中では「サハラ砂漠」と信じ込まされていた鳥取砂丘のような場所)に不時着させられます。
この強烈なトラウマ体験が、その後の彼の行動原理のすべてです。
映画『ロマンス編』で再登場した際、彼はダー子の顔を見た瞬間に激しい怒りを露わにします。もし時系列が逆で、映画の後にドラマ第1話があったとしたら、初対面のリアクションとして矛盾が生じます。
「ドラマ第1話での屈辱」があったからこそ、劇場版での執拗な追跡があり、さらにその後の『プリンセス編』『英雄編』での奇妙な愛憎入り混じる関係へと発展していく。
赤星栄介というキャラクターの感情のグラデーションを追うことは、そのまま『コンフィデンスマンJP』の歴史を追うことと同義なのです。彼が騙されるたびに、私たちは「またか!」と笑いながらも、どこか彼を応援するような気持ちになっていきませんか?それは、長い時系列を通して彼の人間臭さを目撃してきたからでしょう。
コンフィデンスマンJPの時系列まとめ

『コンフィデンスマンJP』の時系列について、かなりマニアックな視点まで掘り下げて解説してきました。
結論として、この作品は「放送順に見て騙される楽しさ」と、「時系列順に並べ替えて伏線に気づく楽しさ」の2つの顔を持っています。
ダー子、ボクちゃん、リチャード、そして五十嵐や赤星たち。彼らが織りなす物語は、単なる1話完結のコメディではなく、時間を超えて繋がる壮大な人間ドラマでもありました。
「目に見えるものが真実とは限らない」。
ドラマの冒頭で毎回語られるこの言葉は、私たち視聴者に対する「このドラマの構造そのものを疑え」というメッセージだったのかもしれません。

まだ見たことがない方はもちろん、すでに視聴済みの方も、ぜひ今度は「時系列」を意識しながら見返してみてください。きっと、今まで見えていなかった新しい『コンフィデンスマンJP』の世界が広がるはずです。
⏳ 「時間」を感じるおしゃれインテリア
今回解説した「時系列」のパズル。砂時計を眺めながら、ゆっくりと流れる時間の中でドラマの伏線を思い返してみるのも素敵なひとときです。インテリアとしても絵になりますよ。
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